米ブラウン大学銃撃事件の経緯
ポルトガルで5年間共に過ごした同級生
米アイビーリーグの名門大学であるブラウン大学で発生した銃撃事件を巡り、事件の容疑者が大学時代の同級生であるマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授を殺害した後、死亡していたことが分かった。

米メディアによると、事件の容疑者であるクラウディウ・ネベス・バレンテ(48)が18日、ニューハンプシャー州の倉庫で死亡しているのが見つかったという。捜査当局は「銃で自ら命を絶った可能性が高い」との見方を示している。バレンテはポルトガル出身で2017年に米国の永住権抽選制度を通じて永住権を取得していた。
バレンテは13日、ロードアイランド州のブラウン大学内で銃を乱射し、10人余りが死傷する事件を起こした。その後、15日にはブラウン大学から約80キロ離れたマサチューセッツ州のアパートでMIT教授のヌーノ・ルレイロ(48)を銃で殺害したとされている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2人が1995年にポルトガルのリスボン工科大学物理学科に入学し、2000年に卒業した同級生だった点に注目した。
大学卒業後、バレンテはブラウン大学大学院の物理学博士課程に進学し、ルレイロは英国のインペリアル・カレッジ・ロンドン大学院の物理学博士課程に進み、ここから2人の歩みは大きく分かれた。裕福な家庭に育ち、高校時代には国際物理オリンピックのポルトガル代表として出場した経歴を持つバレンテは、大学時代までは順調だったものの、その後は学業を継続できなかった。2000年から2001年に留学生向けビザでブラウン大学の博士課程に登録したが、休学後に復学せず、2003年に退学扱いとなったという。
一方、ルレイロは博士号取得後、プラズマ物理学や核融合分野で実績を重ねた。2022年にはMITプラズマ科学・核融合センターの副所長に就任し、2024年には所長に就いた。今年1月には大統領賞を受賞した。
バレンテの明確な犯行動機は確認されていないが、取材に応じた同級生の一部からは、ルレイロの成功に対する羨望があった可能性を指摘する声も出ている。ただし、2人の交友関係の実態や近年連絡を取り合っていたかどうかは明らかになっていない。捜査当局はバレンテの死亡が確認された後、記者会見で容疑者の身元を公表した。警察が捜査初動で容疑者の特定に混乱し、2次被害を防げなかったのではないかとの指摘も一部で出ている。
また、バレンテが移民出身者と判明し、トランプ政権の反移民姿勢がさらに強まる可能性も指摘されている。トランプ政権はバレンテが米国への定住を可能にした永住権抽選制度を中止すると発表した。













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