米国人3人死亡を受け「ホークアイ」作戦を実施
F-15やアパッチ投入、武器庫などを攻撃

米国は、シリアで過激派組織「イスラム国」(IS)を標的とした大規模な空爆を実施した。シリアでISの関与が疑われる攻撃により米国人3人が死亡したことを受けた報復措置だという。
ロイター通信やAP通信などによると、中東で米軍の作戦を統括する米中央軍は19日(現地時間)、戦闘機や攻撃ヘリ、砲兵を投入し、シリア中部の複数地域で70か所を超える目標を攻撃したと発表した。標的はISの拠点インフラや武器関連施設で、100発以上の精密誘導弾を使用したとしている。
今回の空爆は、13日にシリア中部パルミラ付近で、野外での偵察に出ていた米軍とシリア側部隊が突然の攻撃を受け、米兵や通訳など米国人3人が死亡した事件を受けた対応だ。犯行を名乗る組織は出ていないが、米国防当局と情報当局はIS関与の可能性が高いとみている。シリア内務省は、現場で射殺された攻撃者について、ISに同調したシリア治安部隊所属とみられるとの見方を示した。
作戦名は「ホークアイ」とされ、F-15戦闘機、A-10近接航空支援機、AH-64アパッチ攻撃ヘリが投入された。ヨルダンから出撃したF-16戦闘機や高機動ロケット砲システム(HIMARS)も動員されたという。ヨルダン軍は、過激派組織が周辺国や地域全体の安全保障を脅かすのを防ぐためだとして、空爆への参加を明らかにした。

ピート・ヘグセス米国防長官は、今回の作戦は戦争の開始ではなく「報復の宣言」だとしたうえで、今後も追跡して排除を続ける考えを示した。シリア人権監視団は、空爆によりシリア東部デリゾール州でISの構成員少なくとも5人が死亡したとの見方を示している。
ドナルド・トランプ大統領はSNSで、米国人を攻撃するテロリストに対して強い警告を発し、米国を攻撃または脅かすなら、これまでに経験したことのない強力な打撃を受けることになると強調した。















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