
中国人民解放軍と中国人民武装警察が、初めて大規模な合同模擬戦争訓練を実施したと公表した。中国の1号空母・遼寧艦と3号空母・福建艦が、近く黄海で合同軍事演習を行う可能性も指摘されている。
「中国中央テレビ(CCTV)」と香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」によると最近、河南省許昌で中国空軍の主力戦闘機J-16とフランス製ラファール戦闘機による模擬空中戦訓練が行われた。また、別の地域では陸軍と海軍の潜水艦部隊による合同軍事訓練も実施され、訓練には人民武装警察も参加した。
「SCMP」は、中国軍が極秘の軍事訓練を公開したことと、対テロや災害救助を担当する武装警察が訓練に参加したことは異例だと指摘した。陸・海・空およびロケット軍で構成される人民解放軍と武装警察は、いずれも共産党中央軍事委員会の指揮下にある。
中国の異例な訓練公開は、トランプ米政権が米中対立で日本を公然と支持しない状況下で、日本を圧迫する意図があるとの見方が出ている。「SCMP」は、中国沿岸を定期巡回するJ-16多目的戦闘機と第5世代J-20ステルス戦闘機の組み合わせは、台湾海峡紛争時に「最強の突破力」を持つと評価されると報じた。
また、中国の1号空母・遼寧艦と3号空母・福建艦が、近く黄海で日本を牽制する合同軍事演習を行うとの観測も浮上している。台湾の軍事専門家のリュー・リーシー氏は最近「Facebook」で、遼寧艦と福建艦が青島軍港に移動する衛星写真を公開した。公開写真には遼寧艦が既に青島港に停泊している様子も含まれていた。
先月就役した福建艦は、今月16日に艦載機を搭載しないまま台湾海峡を通過し、その後、青島の軍事基地へ移動した。一方遼寧艦は今月初め、日本の沖縄県周辺海域を包囲するように航行した後、青島に入港したとされる。台湾国防部長のグー・リーション氏は、福建艦の台湾海峡通過を受け、「青島へ向かう可能性が高い」との見方を示していた。
中国の軍事専門家のリー・ヤーチャン氏は、シンガポールメディア「聯合早報」に対し「福建艦と遼寧艦が共同軍事訓練を行う可能性がある」と語った。
遼寧艦は、2024年10月に中国2号空母の山東艦と黄海で双空母訓練を実施した実績がある。台湾メディア「聯合報」は、「黄海で近く同様の訓練が行われれば、日本に対する強力な抑止力のメッセージとなる」と伝えた。














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