
米国のドナルド・トランプ大統領は各種経済指標を挙げて「米国の黄金時代が到来した」と主張するが、こうした恩恵は所得上位10%に集中しているとの評価が出ている。ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏らは、二極化が深まる「K字経済」を懸念している。
ポリティコは24日(現地時間)、「トランプ大統領の再任初年度の経済成果は期待を上回ったが、その恩恵は主に米国で最も裕福な世帯に集中した」とし、「今週発表された堅調な国内総生産(GDP)数値は、裕福な米国人が成長を牽引している事実を覆い隠している」と指摘した。米国の第3四半期GDP成長率は前年同期比4.3%を記録し、期待以上との評価が出ており、トランプ大統領は「トランプ経済の黄金期が本格的に始動している」と述べた。
しかし、カナダロイヤル銀行(RBC)の調査によると、米国の所得上位10%層は今年上半期まで総額20兆3,000億ドル(約3,168兆4,403億円)を支出しており、これは残りの全世帯が支出した額(22兆5,000億ド・約3,511兆8,180億円)とほぼ同等だという。株式市場の好調と高い不動産価格、富裕層の安定した賃金上昇などにより、所得上位10%の消費が急増したのだ。バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、所得上位顧客の実質賃金は過去1年間で4%増加したのに対し、低所得世帯の所得増加率は1.4%にとどまったという。
トランプ大統領が強調するように経済指標は悪くない。株式市場の活況、人工知能(AI)関連スタートアップへの巨額投資、企業利益の急増が代表例だ。しかし、各種世論調査ではトランプ大統領の経済政策支持率は歴代最低を記録している。トランプ陣営では、民主党を中心に「価格の手頃さ(affordability)」の問題が提起されることが理解できないという反応だ。トランプ大統領の顧問を務めた経済学者スティーブン・ムーア氏は「物価を巡るこの議論全体が不思議だ。現在の経済が極めて強力なので、全く理解できない」と述べ、「過去6か月間の傾向が続けば、経済に良くないという民主党の主張はますます維持が難しくなるだろう」と主張した。トランプ政権は今後、各種減税政策が雇用増加と実質所得の上昇をもたらすと期待している。
一方、クルーグマン氏は最近「米国の新たなK(字経済)」と題した文章で、「富裕層と貧困層の格差はジョー・バイデン前政権時に縮小したが、トランプ政権では再び拡大している」と主張した。クルーグマン氏は「2021年から2023年までのバイデン前政権期間中、低賃金労働者の賃金上昇率は高賃金労働者を常に上回っていた」とし、「昨年末、高所得労働者の賃金上昇率が低所得労働者を上回り始めた。後者の賃金上昇率はかろうじて物価上昇率を上回る程度だ」と指摘した。フィナンシャル・タイムズ(FT)も「米国のK字経済はトランプ大統領と共和党の来年の中間選挙の見通しを脅かしている」と分析した。













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