エンテロウイルスの死者、6年ぶり最多
子どもの感染を隠して登校を強行、集団感染を招く

乳幼児の手足口病や新生児敗血症など、子どもにさまざまな合併症を引き起こし得るエンテロウイルスが台湾で流行する中、感染が疑われる子どもを学校に通わせ、集団感染を招いた保護者に対し、最大30万台湾ドル(約150万円)の罰金が科される見通しとなった。
台湾メディア「中時新聞網」などによると、南部・高雄市の私立小学校に通う5年生の女子児童は5日、発疹や水ぶくれなどの症状で受診し、7日にエンテロウイルス感染が疑われると診断された。ところが保護者は、学校や保健当局に知らせないまま登校させたという。
その後、同じクラスの児童を皮切りに、計4クラスで11人が発熱やのどの痛み、発疹などを訴え、いずれもエンテロウイルス感染が確認された。感染は近隣校にも広がり、中学生と乳幼児2人が追加で感染し、これまでに計14人の感染が確認された。女子児童の弟も発疹や水ぶくれが出た後に受診し、感染が分かったとされる。
学校では13〜14日に期末試験が行われたが、保護者は学校側に「アレルギーにすぎない」などと説明していたという。学校側も症状について保護者へ詳しい確認をしなかったと伝えられている。

相次いで児童らの感染が判明すると、保護者の間で不満が噴出した。SNSで事情が共有され、学校前でプラカードを掲げる抗議行動も行われたという。保護者の一部は、当該保護者が医師夫婦だと主張し、批判を強めた。
当該保護者は「体に赤い水ぶくれが見つかったが、発熱など他の症状がなかったので大丈夫だと思った」と釈明したとされる。
保健当局は学校で疫学調査を行い、感染が疑われる診断を受けた事実を隠したまま登校を続けさせた状況を確認した。台湾の「伝染病防治法」では、感染症患者または疑い患者が検査・診断・調査などを拒否、回避、妨害することを禁じており、当局はこの規定に違反したとして、6万台湾ドル(約30万円)から最大30万台湾ドル(約150万円)の罰金を科す方針を示している。
エンテロウイルスは、便や呼吸器分泌物などを通じて広がり、さまざまな合併症を引き起こす。北半球の温帯地域では主に夏から秋に流行し、亜熱帯・熱帯地域では季節を問わず発生しやすい傾向がある。成人より乳幼児や子どもが感染しやすく、発熱、鼻水、せき、発疹、水ぶくれ、筋肉痛などで始まり、手足口病、新生児敗血症、急性出血性結膜炎、無菌性髄膜炎などにつながる可能性があるとされる。
台湾では昨年、エンテロウイルス感染に伴う重症患者が19人確認され、うち9人が死亡した。死者数は6年ぶりの高水準で、当局は今年も流行が続くとの見通しを示す。乳幼児や子どもがいる家庭に対しては、手洗いや外出後の着替えなど衛生対策の徹底を呼びかけている。













コメント0