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「政治から距離を置け」…トランプ政権と対峙するFRB議長が示した“独立”の覚悟

望月博樹 アクセス  

引用:YTN
引用:YTN

ドナルド・トランプ大統領と対立が続く中、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、後任に向けた助言として「政治と距離を置くよう勧める」と述べ、FRBの独立性を改めて前面に押し出した。

パウエル議長は記者会見で、自身に対する大陪審の召喚状発付など、トランプ政権からの圧力については踏み込んだ説明を避けつつも、FRBは政治から独立した立場を堅持するとの考えを示した。

また、召喚状発付に関して声明を出した理由を問われると、「発表した声明に付け加えたり、繰り返したりはしない」と述べ、即答を控えた。召喚状に応じたかどうかについても言及を避けている。

パウエル議長は先に、FRB本部の建物改修をめぐり大陪審への出廷を求める召喚状を受け取ったと明らかにし、FRBの独立性に対する「前例のない脅し」だと位置づけた。これまでトランプ政権の攻撃に公の場で批判的な姿勢を示した例は多くなく、市場では強硬姿勢に転じたのではないかとの見方も出ていた。

任期については、FRB議長としての任期が5月に満了する一方、理事としての任期は2028年1月31日まで残る。議長職を退いた後も理事を続けるかどうかを問われたパウエル議長は、「きょうはその件について話すことはない」と述べ、判断を明らかにしなかった。

一方で、トランプ政権がリサ・クックFRB理事の解任を試みたことをめぐる連邦最高裁の審理に出席した理由については、「FRB113年の歴史で最も重要な法的事件になるかもしれない」と指摘した。出席しない理由を説明する方が難しいとしたうえで、1980年代にポール・ボルカー元議長が最高裁での審理に直接立ち会った前例にも触れ、「出席は適切だった」と説明した。

この出席をスコット・ベセント米財務長官が批判した点については、「他の当局者の発言について論評するのは適切ではない」と述べ、コメントを控えた。

金融政策をめぐっては、パウエル議長が「経済成長の見通しは、昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、明確に改善した」と説明した。発表された経済指標に加え、FRBの景況報告であるベージュブックに表れた企業・家計の心理などを踏まえ、「今年は堅調な基盤の上で出発したことを示している」との認識を示している。

追加利下げの時期やペースに関しては、「物価安定と雇用最大化という二つの責務の間で直面するリスクに対応できる、良い位置にいる」と語った。FOMCが政策金利の据え置きを決めたことについても、議決権を持たないメンバーを含め、委員会内に幅広い支持があったと明かした。

そのうえで、「次の金利調整が利上げになるのが基本シナリオだと考える人はいない」と述べ、現時点で利上げを想定していない考えもにじませた。

関税政策の影響については、貿易政策が大きく変化する中でも「経済はかなり持ちこたえてきたと言うべきだ」と指摘した。理由として、関税水準が当初の発表時より緩和されたこと、各国の報復が限定的だったこと、関税引き上げ分の相当部分がまだ消費者価格に転嫁されていないことを挙げ、現状を分析した。

望月博樹
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