
アメリカの電気自動車メーカー、テスラの昨年の年間売上高が、創業以来初の前年比マイナスとなった。業績発表にあわせて同社は、電気自動車事業を抑制する一方、AI(人工知能)やロボット分野への投資を強化する方針を明らかにした。
28日(現地時間)、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」によると、テスラの昨年第3四半期の純利益は、前年同期比で61%と大幅に減少した。同期間の売上高は249億ドル(約3兆8,000億円)と3%減少し、フリーキャッシュフロー(現金収支)は14億ドル(約2,100億円)で、前年同期比30%の減少となった。また、電気自動車の販売台数は四半期ベースで16%減少した。2025年の年間販売台数は164万台にとどまり、中国のBYD(比亜迪)が記録した226万台を下回った。
この業績発表にあわせ、テスラはイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の個人AI企業であるxAIに、20億ドル(約3,100億円)を投資することを決めたと明らかにした。今回の投資は、1月16日に実施されたxAIのシリーズE資金調達ラウンドの一部として行われる。
これに先立ち、テスラの株主はxAIへの投資案について、賛成票を上回る反対票および棄権票が投じられ、否決していた。
マスク氏は電気自動車の生産構造も調整した。販売が不振な高級モデルであるModel SとModel Xの生産を中止し、カリフォルニアのフリーモント工場の該当生産ラインをヒューマノイドロボット「オプティマス(Optimus)」の製造スペースに転換すると発表した。そのうえで、「大胆な目標に疑念を抱く人が多いが、我々はこれを達成できると確信している」と述べた。

テスラは電気自動車の販売に加え、AIを基盤としたソフトウェアやサービスでも収益拡大を図っていると明らかにした。今回の業績発表では、テスラが初めて「フルセルフドライビング(FSD)」ソフトウェアの加入者数を公表し、加入者は110万人で前年同期比38%増となったと発表した。
自動運転戦略も並行して進められている。テスラは、ハンドルとペダルを備えない2人乗り自動運転車「サイバーキャブ(Cybercab)」を4月から生産する計画を明らかにした。マスク氏は、長期的にはサイバーキャブの生産台数が従来車種の合計を上回る可能性があると予測している。テスラは、車両販売中心の収益構造から、ロボタクシーを含むサービスモデルへの転換を目指す方針だ。
この発表を受け、市場も即座に反応した。ロボットやAIの研究開発(R&D)への投資によりフリーキャッシュフローは減少したものの、懸念されていた赤字転落は回避された。この影響で、テスラの株価は時間外取引で約2%上昇した。
一方で、テスラはいくつかの課題にも直面している。マスク氏の政治的行動以降、カリフォルニアやヨーロッパなど主要市場でブランドの評判が低下し、新モデルの発売遅延による製品ラインナップの老朽化も指摘されている。また、アメリカと中国の企業間で競争が激化しており、グローバル市場におけるシェアも低下傾向にある。
現在、テスラはテキサス州オースティンで、安全要員が同乗する形の完全自動運転ロボタクシーサービスを試験的に運営しており、サンフランシスコ・ベイエリアでも車両の呼び出しサービスを提供している。
「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は、テスラが電気自動車メーカーとしての成長の限界が見え始める中で、AIやロボットを軸とした事業拡大を並行して進めていると伝えた。
















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