
ドナルド・トランプ大統領は、キューバを国家安全保障上の脅威と位置付け、国家非常事態を宣言した。あわせて、キューバと石油取引を行う国に関税を課すことを可能にする行政命令に署名し、圧力を強める構えを示した。
トランプ大統領は29日(現地時間)、行政命令で「キューバ政府の政策、慣行、行動は、米国の安全保障と外交政策に対する異常かつ特別な脅威を構成する」と明記した。さらに、キューバがロシア、中国、イランなどの敵対国やテロ組織に軍事・情報関連施設を提供しており、米国の安全保障を直接脅かしていると指摘した。
今回の行政命令は、キューバに石油を直接または間接的に供給する国の「米国向け輸出品」に関税を課せる内容となっている。キューバのエネルギー輸入ルートを断ち、経済的孤立を深めた上で、最終的には政権交代まで誘導する狙いがあるとの見方も出ている。根拠法には、大統領に広範な金融取引規制の権限を付与する国際緊急経済権限法(IEEPA)が用いられた。
米国は、西半球で中国とロシアの影響力拡大を抑えることを外交上の重要目標に掲げてきた。今回のキューバ措置も、ベネズエラを巡る対応と同様、域内の敵対勢力の拠点を弱体化させる戦略の延長線上にあると受け止められている。ただし、トランプ大統領が昨年、同じIEEPAを根拠に相互関税を課した措置については、連邦最高裁が現在、適法性を審理しているという。
一方でトランプ大統領は同日、国内の薬物依存対策を支援する行政命令にも署名した。ホワイトハウスには、薬物依存への対応を担う専任組織「グレート・アメリカン・リカバリー・イニシアティブ」を新設する。ホワイトハウスによれば、薬物などの依存問題で苦しむ人は4,840万人に上り、全体の16.8%を占めるという。新組織は保健福祉省など関係省庁と連携し、予防・治療・回復支援の政策を一体で管理しながら、関連予算の調整も進める方針とされた。
















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