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「北極はもう研究の場ではない」中露が狙う“新帝国主義”の最前線

梶原圭介 アクセス  

引用:depositphotos
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北極争奪戦(scramble for the Arctic)

「北極争奪戦」は英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が22日、北極を巡る列強の競争を論じる際に用いた表現だ。19世紀の帝国主義時代に使われた「アフリカ争奪戦(scramble for Africa)」になぞらえた用語で、北極が新たな帝国主義時代の舞台になりかねないことを示唆している。

ドナルド・トランプ米大統領がデンマーク領グリーンランドの併合に意欲を示す中、同様の動きがノルウェー領スヴァールバル諸島にも波及する可能性があるとの見方が相次いでいる。

米国の「ワシントン・ポスト」は23日、「中国は北極で何をしているのか」と題した分析記事で、「中国は北極を『戦略的新開拓地』と位置付けている。習近平指導部は米国の軍事力に匹敵することを目指し、北極も『確保すべき空間』と見なしている」と指摘し、スヴァールバル諸島の基地を将来的な拠点候補の一つに挙げた。2023年には米国戦略国際問題研究所(CSIS)が「中国が研究を口実にスヴァールバル基地でスパイ活動を行う可能性がある」との懸念を表明していた。

特にノルウェーのメディア「バレンツ・オブザーバー」は昨年12月、「ロシアが『ハイブリッド脅威』を通じて西側の対応を試しており、スヴァールバルを単なる島ではなく『軍事的な門』と見なしている」と警鐘を鳴らした。ロシアがスヴァールバル諸島内の居住地バレンツブルグで第二次世界大戦勝利記念パレードを行ったり、ロシア国旗をノルウェー国旗より高く掲げるなど、「ロシアの領土だ」という印象を広める戦略を展開しているという。スヴァールバル諸島には2025年現在2,881人が住んでおり、そのうち343人(約12%)がロシアの居住地に住んでいるとされる。

人間よりもホッキョクグマ(約3,000頭)の方が多いこの辺境の地が、新たな帝国主義の舞台として浮上している背景には、近年高まる北極の戦略的価値がある。温暖化で氷河が溶け、北極の広大な鉱物資源と主要航路への関心と競争が激化している。特にスヴァールバル諸島はロシア艦隊が大西洋に進出できる海路の要衝に位置し、銅・リチウム・レアアースなどが近海の海底に豊富に埋蔵されている点もロシアを引きつける要因になっている。

1920年に締結されたスヴァールバル条約の特殊な性質も一因となっている。中国、ロシアなど条約加盟国は同諸島では自由に研究や漁業・鉱業・商業活動を行うことができる。中国やロシアもこれを根拠に進出を図っている。

ノルウェーも手をこまねいているわけではない。ノルウェー政府は2023年、スヴァールバル地域の議会投票権を「直前3年間にノルウェーの自治体に登録されていた者」に制限し、外国人居住者の被選挙権を狭めた。また、スヴァールバル大学センター(UNIS)やノルウェー科学技術大学(NTNU)などでは中国人研究者の追放やプロジェクト参加制限の動きが強まっているという。一方、昨年3月にはロシアが「ノルウェーがスヴァールバルを軍事化している」と問題提起し、これに対しノルウェーは「スヴァールバルはノルウェーの領土だ」と反論する場面もあった。

梶原圭介
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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