
ロシア・ウクライナ戦争が長期化する中、深刻な兵力不足に直面しているロシアが、東南アジアの貧困層の若者を勧誘して前線に投入しているとの報道があった。彼らが地雷原を先頭で進むなど、事実上「人間の盾」として利用された後、見捨てられているとの指摘もされている。
外交専門誌「The Diplomat」は10日、ロシアが東南アジアのオンライン詐欺組織と類似の手法で戦闘員を募集していると伝えた。ロシア軍とつながりのあるブローカーらは、経済的事情からロシアでの就労を希望する東南アジアの若者が参加するSNSチャットルームにアクセスし「月給2,000~2,300ドル(約30万円~35万円)とロシア市民権を与える」と持ちかけているという。
ロシアは人口減少や労働力不足を背景に外国人就労のハードルが比較的低く、東南アジアの貧困層の間で移住先として人気が高い国とされている。こうした状況を悪用し、就労を餌に接触した後、入国と同時にパスポートや携帯電話を押収し、ロシア語の文書への署名を強要するという。その文書は「清掃業務の契約書」と説明されるが、実際には軍への入隊申請書だとする証言が出ている。被害者の多くがロシア語を理解できない点につけ込んだ手法とみられている。
彼らは約1週間の基礎訓練のみを受けた後、最前線に配置される。ロシア軍内部では彼らを「マヤチキ(小さな信号機)」と呼ぶとの報道もあった。敵の射撃位置を確認するために先頭に立たされたり、地雷原を先に通過させられたりするなど、極めて危険な任務を担わされているという意味だ。
先月、ウクライナのドネツク戦線で戦死したとされるフィリピン国籍のジョン・パトリック氏の事例も取り上げられた。彼の遺品として残っていたのは部隊番号と指揮官名が記されたメモのみで、遺体は依然としてフィリピンに送還されていないと伝えられている。一部の報告書では、前線に投入された外国人新兵の平均生存期間が72時間に過ぎないという主張も出ている。
2022年にロシアが予備役の一部を動員した際、26万人以上のロシア人男性が国外に流出したと推計されている。その後、ロシアが募集対象を海外の貧困層に広げたとの分析が出ている。ウクライナ側の集計によると、先月時点で128カ国から1万8,000人以上がロシア軍に所属しているか、あるいは所属していたとされ、このうち確認された戦死者は3,000人に上るという。
東南アジア各国の対応は分かれている。インドネシアはロシア軍に入隊した自国民の市民権を剥奪し、フィリピンは空港でロシア行きを阻止する一方、彼らを人身取引の被害者と見なして保護措置を講じている。ベトナムやシンガポールも傭兵としての入隊を厳しく取り締まっているという。一方、ラオスについては、政府が工兵部隊をロシアのクルスク地域に派遣する方針だとの報道もある。
















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