
米国防総省が、AIスタートアップのアンソロピック(Anthropic)との提携見直しを検討していることが分かった。米ニュースサイトAxiosが14日(現地時間)に報じた。
背景にあるのは、同社が自社AIモデル「Claude(クロード)」の軍事利用に一定の制限を設けている点だ。国防総省は、兵器開発や情報収集、戦場運用などの機微な分野を含め、軍がAIツールを「すべての合法的目的(all lawful purposes)」に使用できるよう認めることを主要AI企業に求めている。
OpenAIのChatGPT、グーグルのGemini、xAIのGrokなどはこの方針を受け入れたとされる。一方、アンソロピックは、Claudeが①米国民に対する大規模監視、②完全自律型の致死性兵器システム――に利用されることは容認できないとの立場を崩していない。
米政府高官は「個別のユースケースごとに協議するのは現実的ではなく、モデルが想定外に特定用途をブロックする状況も運用上の支障になる」と指摘。「提携縮小や解消を含め、あらゆる選択肢を検討している」と語った。
対立が表面化したきっかけは、ベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領の拘束作戦だったとされる。報道によれば、当時米軍は米データ分析大手パランティア・テクノロジーズのプラットフォームを通じ、Claudeを作戦計画や情報分析に活用した。
政府高官によると、その過程でアンソロピック幹部がパランティア側にClaudeの使用有無を問い合わせたという。この高官は「問い合わせの仕方が、ソフトウェア利用を問題視する意図をにおわせた」とし、「作戦では実弾が使用され、死傷者も出た」と述べた。
これに対しアンソロピック側は、特定の作戦でのClaude利用について協議した事実はないと否定。政府機関内の各種情報関連業務でClaudeは活用されており、自社の利用ポリシーの範囲内で運用されていると強調している。
また、同社がAIの潜在的リスクに対して最も「理念重視」の姿勢を取っている企業だとの見方もある。ただ政府高官は「他社モデルは政府向け特化分野でまだ成熟していない」と指摘し、短期間でClaudeを代替するのは容易ではないとの認識を示した。
アンソロピックは昨年夏、最大2億ドル(約300億円超)規模の契約を国防総省と締結。Claudeは国防総省の機密ネットワークに導入された初のAIモデルとされている。
















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