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「合意か、戦火か」イラン核合意草案提示へ…”米軍基地3~4万人”が射程圏

竹内智子 アクセス  

イランが2~3日以内に核交渉の合意案草案を米国へ示す方針を明らかにした。ドナルド・トランプ米大統領が合意期限を最大15日に区切ったことを受けた動きだ。国際社会が米国とイランの全面衝突を懸念する中、イラン国内では沈静化していた反政府デモの火種も再びくすぶっている。

イランのアッバス・アラグチ外相は2月20日(現地時間)、MS NOWのインタビューで、米側の要請を受けてジュネーブ交渉で合意可能な草案を準備していると説明した。今後2~3日以内に政権中枢の最終確認を経たうえで、トランプ大統領の中東特使であるスティーブ・ウィトコフ氏に渡す考えも示している。アラグチ外相は、次回の協議で草案の文言を詰めて結論に近づけられるほか、1週間以内に合意文案を巡る本格協議を始め、妥結につなげられるとの見通しを語った。

引用:depositphotos
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合意案の中身を巡っては、英国紙ガーディアンが、イランは保有する高濃縮ウラン約300kgの海外搬出には応じない一方、濃縮度合いを兵器級の60%から20%以下へ引き下げる案には同意し得る、との観測を報じた。

米国側は期限を盾に圧力を強めている。トランプ大統領は前日、ワシントンで開かれたドナルド・J・トランプ平和研究所の平和委員会初会合で、米国とイランは合意しなければならず、そうでなければ悪いことが起きると述べた。昨年6月にイランの核施設を奇襲攻撃した件にも触れ、さらに踏み込む必要があるかもしれないとも言及し、今後10日以内に結果が見えるとの見方を示している。

こうした発言は、核施設への精密攻撃を超える作戦拡大を示唆した可能性がある。トランプ大統領は専用機内でも、何らかの形でイランと合意するとし、期限についても10日、最大15日だと重ねて言及した。

期限を10~15日とした一方で、昨年の12日戦争(12日間戦争)のように、期限を待たず先に攻撃へ踏み切る可能性も取り沙汰されている。

仮に攻撃が現実化すれば、米軍側も深刻な被害を受けかねないとの見方もある。ニューヨーク・タイムズは専門家の見立てとして、イランの射程に入る中東13か所の米軍基地に計3万~4万人規模の兵力が展開しており、イランが報復に出れば大規模な死傷者が出る恐れが大きいと報じた。

とりわけ、昨年のイランによるカタールのアル・ウデイド空軍基地攻撃のように、事前通告のない奇襲となれば被害が拡大し得る、と米国防総省関係者は同紙に語ったという。イランが体制の存続を脅かされる局面に追い込まれれば、前例のない反撃に出る可能性もあるとされる。ジョンズ・ホプキンス大学のバリ・ナスル教授は、過去の抑制的対応が脅威を増幅させたとイランが受け止めている場合、米国の戦争コストを最大化する戦略を取り得るとの見方を示した。

イラン側も強硬姿勢を崩していない。イランのアミール・サイード・イラバニ国連大使は前日、イランは戦争を先に始めないとしつつ、攻撃を受ければ米軍基地や資産を正当な標的にすると強調した。

こうした緊張の高まりと並行して、イラン国内では反政府デモが再燃している。ウォール・ストリート・ジャーナルとAFP通信によると、2月21日にはテヘランのシャリーフ工科大学やアミールカビール工科大学などで学生が追悼集会や座り込みを行い、「最高指導者アリ・ハメネイ師に死を」、「シャー万歳」などのスローガンを掲げた。バシジ民兵隊と衝突し、負傷者も出たという。

デモの犠牲者を悼む場でも反政府の声が強まっている。弔問客が墓地周辺で踊りや歌を交え、これまでとは異なる形で政権に抗議の意思を示す動きも広がっているとされる。

昨年12月に始まった反政府デモは先月、各地へ波及したものの、当局による強硬な流血鎮圧やインターネット遮断で勢いを失っていた。当局推計では当時3,000人以上が死亡し、数万人が逮捕されたという。

竹内智子
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