
最高裁判所が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく包括関税について違憲判断を下したことを受け、ドナルド・トランプ米大統領は直ちに記者会見を開き、強い不満をあらわにした。トランプ氏は今回の判決を「愛国心のない行為」と批判し、行政権による関税主権を放棄しない考えを示した。
トランプ氏は違憲判決を下した6人の最高裁判事に対し「恥を知るべきだ」とし「国家のために正しいことを行う勇気がない」と非難した。さらに、彼らを「RINO(名ばかりの共和党員)」や「急進左派の手先」と呼び、「裁判所が外国の利益に左右されているのではないかと私は考えている」と主張した。
ただし、外国勢力の介入について具体的な証拠は示さなかった。一方、自身の立場を支持した最高裁判官のクラレンス・トーマス氏、サミュエル・アリート氏、ブレット・カバノー氏に対しては「強さと知恵を兼ね備えている」と述べ、謝意を示した。
判決の核心となったIEEPAによる権限行使が制限されたことを受け、トランプ氏は直ちに「1974年通商法」へと方針を転換した。同法122条を根拠に、既存の関税に加えて新たに10%の「包括関税」を課す大統領令に署名する意向を明らかにした。
122条は国際収支赤字や為替問題を解決するために、大統領が最大150日間、15%以内の関税を課すことを認めている。ただし、150日を超える延長には議会の承認が必要となるが、トランプ氏は「議会の承認は求めない」とし、独自に執行する姿勢を示した。また、不公正な貿易慣行を調査し関税を課す「通商法301条調査」も並行して進める考えを示した。
トランプ氏は今回の判決後に新たに導入する関税が、これまでより高水準となる可能性にも言及した。「関税率は我々が望む通りに決まる」とし、「長年にわたり我々を不当に扱ってきた国々には非常に高い税率が適用されるだろう」と強調した。
最近締結された米印貿易協定など既存の合意が有効かとの質問には「別の法的根拠を用いて維持される」とし、判決の影響を最小限に抑える姿勢を示した。国政演説を数日後に控える中で飛び出した今回の発言により、行政府と司法府、さらに課税権を握る議会との対立は一層激化する見通しだ。
















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