中国人民解放軍訓練の疑い…米国帰国と同時に逮捕・起訴
敵対国に軍事戦術を漏洩…武器輸出管理法違反の疑い
米空軍で戦闘機パイロットとして24年間勤務した元将校が、中国人民解放軍の訓練を支援した疑いで逮捕・起訴された。

25日(現地時間)CNNなどによると、米コロンビア特別区連邦検察は、中国に約2年間滞在した後に帰国したジェラルド・エディ・ブラウン・ジュニア被告(65)をインディアナ州ジェファーソンビルで逮捕したと明らかにした。
ブラウン被告は中国人民解放軍空軍のパイロットに戦闘機訓練を提供し、米国の武器輸出管理法に違反した疑いが持たれている。米空軍特別捜査局(OSI)特別プロジェクト室のリー・ラス室長は「米国の軍事訓練を敵対国に提供する行為は、国家安全保障に重大な脅威となる」と指摘した。
ブラウン被告は1996年に少佐の階級で退役するまで、24年間にわたり米空軍に在籍した。勤務中は核兵器投下システムを担当する機密部隊に所属し、戦闘任務を指揮。F-4ファントムからF-15、F-16まで複数の戦闘・攻撃機で操縦教官やシミュレーター教官を務めた。退役後は貨物輸送用の民間機を操縦したのち、米防衛産業企業2社でフライトシミュレーター教官として勤務し、米軍パイロットにF-35ステルス戦闘機やA-10攻撃機の運用訓練を行っていたという。
連邦検察によると、ブラウン被告は2年以上にわたり中国に滞在し、中国軍パイロットの教育に関与した疑いがある。2023年12月に中国へ渡り、今月初めまで滞在していたとされる。
中国到着初日には約3時間にわたり米空軍に関する質問に応じ、翌日には中国人民解放軍空軍を相手に自身の経歴を紹介する説明を行った。その後、中国軍パイロットの訓練に注力していたと伝えられている。
中国での就業に際して作成した履歴書の「目標」欄には「戦闘機操縦教官」と記載し、中国到着後には共謀者とされる人物に「再び戦闘機パイロットを飛ばし、教える機会を得た」と伝えたという。
また、ブラウン被告は過去に米軍の機密情報を中国に提供した罪を認めた中国系のスティーブン・スー・ビンと関係のある人物を通じて中国側と接触した疑いも持たれている。スー・ビンは2016年、米国の軍事・輸出関連の機密データを中国に提供する共謀に加わったとして有罪を認め、約4年の実刑判決を言い渡された。CNNのアンカー、ジム・シウト氏は2019年の著書『シャドー・ウォー』で、スー・ビンらがF-22やF-35に関する大量のコンピューターファイルを不正取得したと記している。
米連邦捜査局(FBI)ニューヨーク支局のジェームズ・バーナクル支局長は「ブラウン被告の裏切り行為は、機微な軍事戦術を露出させ、米国と軍、同盟国の安全を脅かした」と非難した。
オーストラリアのグリフィス大学アジア研究所の航空アナリストで元オーストラリア空軍将校のピーター・レイトン氏は、F-35を運用する米国の同盟・パートナー国が、中国側にどのような情報が渡ったのか、またそれに伴い米国が提案する戦術や手続きの変更が何かについて、強い関心を示すとの見方を示した。
中国外務省の毛寧報道官は定例会見で関連質問を受け「当該事案については承知していない」としてコメントを控えた。
なお、中国人パイロットの訓練に関与したとして訴追された米国人はブラウン被告が初めてではない。元米海兵隊パイロットのダニエル・ダガン被告も、2017年に空母運用に関する技術を中国人パイロットに教えたとして武器輸出管理法違反で起訴された。オーストラリアに帰化した同被告は2022年にニューサウスウェールズ州で逮捕され、現在米国への身柄引き渡し手続きが進められている。
















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