
木原稔官房長官は27日、中国政府関係者が米AI企業OpenAIの生成AI「ChatGPT」を利用し、日本の首相を中傷する工作を試みたとされる問題について「安全保障上の脅威であり、民主主義の根幹を揺るがす事案だ。対策の早急な整備が必要だ」と述べた。
OpenAIが26日(現地時間)に公表した「AI悪用防止」に関する報告書によると、中国の法執行機関関係者は昨年10月中旬、高市早苗首相に対する組織的な中傷工作をChatGPTを用いて計画し、記録していた。
この関係者は「サイバー特殊作戦」と称する取り組みを通じ、高市首相に関する否定的なコメントの投稿や、外国人を装って政治家に批判的な電子メールを送信すること、さらに米国の対日関税措置への不満を煽るなどして否定的世論を形成しようとしたという。
OpenAIは、こうした工作について助言を求める要請をChatGPTが拒否したと説明した。一方で、同関係者が昨年10月下旬、類似内容を含む文書の編集を依頼していた事実から、最終的にはChatGPTの支援なしに工作が実行された可能性が高いとしている。
実際、X(旧ツイッター)などのSNSには、文書内で言及された「右翼共生者」のハッシュタグを付けた高市首相批判の投稿や動画が確認された。
ただし、OpenAIは今回の工作の実際の影響は限定的だったと分析した。関連するユーチューブ動画の再生回数は一桁台にとどまり、他のSNS投稿も大きな反応は得られなかったとしている。
OpenAIの報告書はまた、中国の司法当局がこのほかにも反体制派の偽の訃報や墓碑写真を作成・拡散したり、人権団体への圧力を強めたりするなど、100を超える戦術を展開してきたと指摘した。
中国当局はChatGPTのほか、中国独自のAIモデルも体系的に活用していた可能性があるとしている。
今回の事態に関連して、木原官房長官は「外国による影響工作は各国で発生している」と述べ、情報収集・分析体制の強化を図る考えを示した。
実際に高市早苗首相は、情報収集・分析体制の強化を中核政策に掲げ、日本版CIAとされる国家情報局の創設を加速させている。
朝日新聞は27日、複数の政府・与党関係者の話として、政府が新設する国家情報局に、各省庁が入手した情報を一元的に収集する権限である「総合調整権」を付与する方針だと報じた。
高市内閣は今国会に関連法案を提出する予定で、首相を最高責任者とする国家情報会議の設置も盛り込まれる見通しだ。
これに関連し、与党・自由民主党のインテリジェンス戦略本部は、国家情報局創設に向けた提言を取りまとめた。国家情報会議で中長期的な政府の基本方針を定める「国家情報戦略」を策定することや、国家情報局の運営のため電子的な共通プラットフォームを構築する必要があるという内容が含まれている。
さらに、情報分析官の育成・訓練強化、通信・電波などの情報収集能力の向上、SNS情報の分析、人的情報能力の強化なども盛り込まれた。
特に、外国政府の指示を受けて国内でロビー活動を行う個人や法人に登録を義務付ける制度の設計も求めている。
自民党は今夏を目標に追加提案をまとめる予定だと、朝日新聞は伝えている。
















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