中国、イラン原油の8割超を輸入
ベネズエラ産の輸入も止まった状態
米国がイランを急襲した背景には、イランの友好国でありイラン産原油の主要輸入国でもある中国への圧力という狙いもあったとの見方が出ている。米国が今年初め、中国と関係を深めてきたベネズエラを打撃し、中南米での中国の影響力遮断を図ったのと同様に、今回の空爆にも中国を牽制する戦略的側面があるという分析だ。
イランは中国主導するBRICS(新興5カ国)と上海協力機構の主要メンバーであり、中国の「一帯一路」(現代版シルクロード)構想でも中東の拠点的役割を担っている。

米国はこれまで中国とイランの原油取引の結びつきに注目してきたとされる。市場調査会社Kplerによると、昨年、中国は1日平均約138万バレルのイラン産原油を輸入したという。これはイランの海上原油輸出量の80%以上を占める最大の購入国であることを意味する。
中国の海上原油輸入全体に占めるイラン産の割合は13.4%。また、中国の原油輸入量の約3分の1がホルムズ海峡を通過している。中国全体の原油精製能力の約4分の1を占める山東省の民間・中小製油会社が、主にイラン産原油の輸入を担ってきた。
中国はイランを含む制裁対象国から割安な原油を輸入し、製造業のコスト競争力を高めてきた。イラン産原油の供給まで途絶えれば、この戦略に大きな支障が生じる可能性がある。
仮にイランの海峡封鎖などでリスクが高まれば、物流の混乱や保険料の上昇、運賃の急騰が起き、エネルギー輸入コストを押し上げる恐れもある。
中国はまた、ベネズエラ産石油の最大輸入国でもあり、昨年は海上原油輸入量の約4.5%をベネズエラから調達していた。しかし今年1月、米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領排除に動いたことで、ベネズエラ産原油の輸入も事実上中断している。
米シンクタンクのエネルギー研究所(IER)は最近の報告書で「ベネズエラのマドゥロ政権が排除され、イランの政治的将来も不透明になる中、中国が恩恵を受けてきた構図が揺らぐ可能性がある」と指摘した。
さらに「イランに永続的な政治変化が起きれば、中国は安定的で安価な石油供給源を一つ失うことになる。世界最大の産油国である米国に比べ、戦略的に不利な立場に置かれる」と分析している。
こうした事情もあり、中国は米国によるイラン攻撃に敏感に反応した。
中国共産党中央外事工作委員会弁公室主任(外相兼務)の王毅氏は1日、ロシア外相との電話会談で「主権国家の指導者を殺害し、政権交代を扇動する行為は容認できない」と述べ「中国は国連憲章の目的と原則を順守し、国際関係における武力行使に反対してきた」と強調した。
中国外務省も別途声明を出し「イラン最高指導者を攻撃・殺害したことは、イランの主権と安全を重大に侵害する行為だ」とし「中国はこれに対し、断固として反対し、強く非難する」と表明した。
ただし、中国側は米国やドナルド・トランプ大統領の名前を直接挙げることは避けた。4月に予定されているトランプ大統領の中国訪問を控え、表現のトーンを調整したとの見方が出ている。
















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