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「暖房が止まっても土地は渡さない」──室内氷点下7度のキーウで市民が語った“4年目の覚悟”

竹内智子 アクセス  

ウクライナ戦争、4年目の現地報告

引用:SNS
引用:SNS

土曜日の7日(現地時間)の昼、ウクライナのキーウのドニプロ川の雪原でEDMが響き渡った。大人たちはふくらはぎの高さまで積もった雪に埋もれながらもリズムに合わせて体を揺らし、子供たちは川岸の斜面でそり遊びに興じていた。市民たちが戦争の疲れと恐怖を忘れようと不定期に開く野外イベントだった。

18歳の大学1年生のマルハリータさんは「(爆撃で)アパートの暖房・電気が1ヶ月間切れて、家の温度計は氷点下7度を指していた。戦争の中で生きるのは惨めだ」と言いながらも、「憂鬱にだけ浸っていられない。隣人に会って元気を取り戻しに来た」と笑顔を見せた。

この光景は、1日から9日まで取材で出会ったウクライナ市民たちの心境を象徴している。4年間に及ぶ戦争でウクライナ側の推定死者は60万人に達し(ロシアは120万人)、戦場で親族を失わない人は少なく、氷点下20度を超える厳寒の中での爆撃で停電・断水は日常となった。通行人と兵士たちも「戦争のない生活を送りたい」と言った。

しかし「ウクライナはさらに戦争を続けるべきか」と尋ねると、「避けられないなら戦わなければならない」という答えが返ってきた。平和を切実に望んでいるが、「土地を譲れば停戦する」というロシアの要求を受け入れるつもりはないと言った。

引用:ガーディアン
引用:ガーディアン

戦争の苦痛は大きいが、動揺は少ない

ハンギョレが訪れた大都市であるキーウとリヴィウ、テルノーピリは戦争の中でも落ち着いた雰囲気だった。1日に5、6回鳴る空襲警報に他の音を加えないよう車はほとんどクラクションを鳴らさなかった。小学校で給食の時間にサイレンが鳴ると、9歳の子供たちは先生に従って食器を持って地下室に静かに降りていった。この日の川岸のイベントでもDJがイベントの終了を告げると、市民たちは約束でもしたかのように袋にゴミを詰めて跡を残さなかった。

31歳の経営コンサルタントのオルハさんは「戦争前から、こういう文化があったわけではない。戦争に力を注ぐべき政府がこういうところに行政力を浪費しないよう人々が(公共秩序に)気を使っている」とほのめかした。

市民たちはウクライナ社会が、このような団結を基に抗戦を続けられるだろうと見込んでいた。8日、退勤後にキーウの中心部の教会にミサを見に来た30代の男性兵士は「ロシアは電気と暖房を切れば戦争に疲れた人々が騒動を起こすだろうと期待していたが、そんなことはなかった」と言い、「人々は互いに怒りをぶつけ合わない。ロシアに対する憤りが増しただけだ」と伝えた。

最近、ドナルド・トランプ米政権主導で進められている平和交渉には大きな期待がなかった。テルノーピリで空襲で家を失ったネルリャ・コバリチュクさんは「もう遅すぎる。すでに多くの人々が戦場で命を失った」と言った。長引く血戦で双方の感情の溝が深まり、対話で妥協点を見つけるのが難しくなったという。

特に「ドンバス地方(ドネツク州・ルハンスク州)の領有権を放棄しろ」というロシア側の要求に対しては市民たちの声が高まった。児童権専門弁護士のオレナ・ロズバドウスカさんは「ロシアはウクライナからいくつかの都市や電気供給を奪っただけではない。親を失ったり、難民になった子供たち数百万人の生活が戦争で永遠に変わってしまった」と言い、「加害者であるロシアが代償を払わなければならない。被害者が加害者に謝罪することはない」と述べた。

「譲歩しても戦争は終わらないだろう」

抗戦の世論には現実的な背景もある。まず「戦況が一方的に不利ではない」とウクライナ人たちは見ている。ロシア軍は兵力と装備で優位だが、塹壕・地雷原・対戦車障害物・ドローンなどで構築されたウクライナ軍の防御線を簡単には突破できないからだ。米戦争研究所(ISW)によると、ウクライナの領土(約60万㎢)のうちロシア軍が占有した割合は2022年末の17.8%から昨年末の19.3%に3年間で1.5ポイント増えただけだった。

11日から15日にはウクライナ軍が5日間で201㎢を奪還したが、これはロシア軍が昨年12月に1ヶ月間占領した面積と同じだった。今月初め、アメリカのスペースエックスがロシア軍のスターリンク(軍用衛星通信網)への接続を遮断し、ロシア軍の指揮通信が困難になった影響が大きかった。このような状況で、まだ防御中の要所を「タダで」渡すことはできないというのがウクライナ人たちの考えだ。

車両整備兵として勤務する一人の兵士は「座席が血まみれになったトラックが部隊に戻ってくるのを見るたびに苦しい」と言いながらも、「最近、部隊の通信網には土地を奪還したという戦闘報告がいくつか上がってきている。戦況を悲観的には見ていない」と述べた。

引用:Daum
引用:Daum

市民たちはロシアの要求を受け入れて停戦しても、相手が再び攻め込んでくるのではないかという疑念も深い。この戦争が「4年の戦争」ではなく、10年以上続いている戦いの一部であると市民たちは見ている。ウクライナが2014年2月に「マイダン革命」で親ロシア政府を打倒した後、ロシアがクリミア半島を武力で占領したのが衝突の始まりだという見方だ。その後、同年4月にロシアの支援を受けたドンバス反乱軍とウクライナ軍の戦争(ドンバス戦争)が勃発し、交戦は2022年2月の全面戦争勃発直前まで続いた。

戦争の繰り返しを防ぐための国際社会の安全保障がなければ、抗戦を続けると市民たちは述べた。大学で外国語を専攻するナナさんは「ロシアは独立国ウクライナの存在自体を望んでいないので、常に主権を奪おうとしてきた。今回譲歩しても、いつかまた戦争をしなければならない」と語った。心理カウンセラーのユリアさんは「(武力侵攻を原則的に禁止した)国際法がウクライナでは紙くずになってしまった。だからウクライナは(平和交渉で)強力な安全保障を求めている」と述べた。

市民たちは、ウクライナが戦争の後も民主主義国家であり続けることを望んでいる。ハン・ガン作家の小説『少年が来る』の英訳を読んで5・18民主化運動を知った傷痍軍人のミコラさんは「ウクライナの人々も(マイダン革命など)広場で公権力の発砲に対抗して民主主義を手に入れ、それを誇りに思っている」と語り、「より成熟した民主主義を持つ機会が開かれているといい」と伝えた。

竹内智子
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