
「母さん、お願いだ。1,000万ドル(約15億7,900万円)を送ってくれ。もう手足の一部を切り落とされた。」
衝撃的な身代金要求の誘拐事件の映像に映る被害者が、最近インドネシアのバリの海辺で発見された切断された身体の一部の持ち主である可能性が高いと現地警察が捜査している。
2日(現地時間)、バリトリビューンなど現地メディアによると、バリ警察はウクライナ人男性イゴール・コマロフさん(28)の誘拐事件の捜査が大きく進展したとし、海外へ逃亡した容疑者を追跡するためインターポールと協力していると明らかにした。
警察は、この行方不明事件の容疑者として、ロシアおよびウクライナ国籍の外国人6人を名指しした。名前はイニシャルのみ公表され、この6人のうち2人は現在もインドネシア国内にいるとみられる一方、4人は犯行後に出国したと警察はみている。
ウクライナメディアTSNなどの報道によると、先月中旬、ロシア・ウクライナのテレグラムに、被害者のコマロフさんが拷問を受け、身代金を要求される様子を収めた映像が拡散した。
その映像では全身にあざがある状態で、用意された文章を読み上げるコマロフが、「私たちは彼らが要求する1,000万ドルを盗みました。彼らに1,000万ドルを返してください。お願いです」と述べ、母親に多額の送金を懇願した。
バリ警察がこの事件を把握したのは、コマロフとともに誘拐犯の襲撃を受け、1人で逃げ延びた友人イェルマク・ペトロフスキーさんが先月15日、バリ南部のクタ警察署に届け出たことがきっかけだった。
ペトロフスキーさんとコマロフさんは、バリ島バドゥン地域でバイクに乗っていたところ、ある通りで不審者らの襲撃を受けた。ペトロフスキーさんは刃物で襲撃者の1人を刺して脱出したが、コマロフさんは誘拐され、どこかへ連れ去られた。
その後、警察は防犯カメラ(CCTV)映像と全地球測位システム(GPS)を活用して、バリ島タバナン地域のある別荘を捜索し、そこで犯行に使われたレンタカーの車内に残された血痕について、DNAが一致したことを確認した。
それから約10日後の先月26日、デンパサール北東部の海岸で、損傷した遺体の一部が、周辺でランニングをしていた住民によって初めて発見された。すでに腐敗が進んだ遺体は、頭部、手、肩、太もも、足、内臓などが分離した状態で海岸に散らばっていた。
警察は、海岸で見つかった遺体のDNAと、コマロフの両親のDNAを照合する検査を進めていると伝えられている。
TSNなどは、今回の事件で犯人らが、被害者の恋人であるイェバ・ミシャロワ(25)のソーシャルメディア(SNS)を手がかりに、被害者の居場所を追跡した可能性があると報じた。
インフルエンサーとして活動するミシャロワは、コマロフさんと旅行しながらインスタグラムに写真を投稿していたが、投稿に位置情報の共有機能も使っていたため、意図せず犯人らを助けた可能性があるという。
ロシアとウクライナの一部メディアは、犯人らが当初狙っていたのはコマロフさんの友人ペトロフスキーさんである可能性があり、ペトロフスキーさんはロシア人を対象に大規模なコールセンター詐欺を行う犯罪組織のボスの息子だと報じた。ただし、ウクライナの有力メディアTSNは、この内容については報じていない。













コメント0