
4日(現地時間)、米紙ワシントン・ポスト(WP)は、2023年にパレスチナの武装組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃を契機に中東秩序の再編が始まり、それが米国とイランの対立にまで拡大し、新たな局面を迎えていると報じた。
WPによると、2023年10月7日、ガザ地区の地下トンネルで当時のハマス最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏が数千人の戦闘員にイスラエルへの侵入を指示したことが、中東情勢を根本から揺るがすきっかけとなった。これは「アラブの春」や20世紀初頭のオスマン帝国解体に匹敵する歴史的転換点とされるが、実際にはシンワル氏が意図した方向とは大きく異なる結果をもたらしたと評価されている。
報道によると、奇襲攻撃から29か月が経過した現在、イスラエルは軍事的優位を確立し、国境付近の脅威をほぼ排除した。シンワル氏は2024年10月、イスラエルによる「標的作戦」で死亡し、イランの最高指導者ハメネイ師も米国とイスラエルの共同空爆で亡くなった。40年にわたり「抵抗の軸」を支援してきたイラン政権は崩壊の危機に直面しており、ハマスやヒズボラ、イエメンのフーシ派なども大きな打撃を受けているとされる。
イスラエルでは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が相次ぐ政治的危機や国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状、汚職裁判にもかかわらず政権を維持し、軍事作戦を主導している。米国では、ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスに復帰後、議会の承認を経ずにイランに対する軍事行動を開始した。
WPは、イスラエルが国際社会から「集団虐殺」の疑惑で激しい批判にさらされ、米国も中東で再び軍人の死者を出す状況にあるものの、ハマスが期待していた「イスラエルの弱体化」や「西側の影響力排除」は現実化していないと分析している。
国際危機グループのイラン担当プロジェクト責任者、アリー・バエズ氏は「2年前にはイランの代理勢力ネットワークは最盛期にあったが、現在はその主要な支柱のほとんどが崩壊した」と指摘し、「イランはもはや中東の行方を左右する国ではない」と語った。
2023年10月6日時点では、ハマスはガザ地区を支配し、レバノンのヒズボラは大規模なロケット戦力を維持していた。シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は外交的復帰を模索し、フーシ派も紅海の海上航路を脅かしていた。しかしその後、イランの軍事・政治的基盤は大きく弱体化した。
WPは、イスラエルが1948年の建国以来、最も強力な軍事的地位にあるとの評価もある一方で、外交的孤立や周辺国の警戒心も高まっていると指摘した。湾岸諸国はイランの弱体化を歓迎しつつも、イスラエルの軍事行動拡大の可能性には懸念を示しており、サウジアラビアやトルコは変化した情勢の下で戦略的再編に乗り出している。
特にハメネイ師の死後、イラン内部の権力継承は不透明で、イラン革命防衛隊(IRGC)が主導権を握る可能性も取り沙汰されている。
WPは、「過去の中東秩序は、イランによる地域介入、米国の安全保障、イスラエルの限定的な軍事力、湾岸諸国の資金力という構造の中で機能していたが、現在はその枠組みが崩壊している」と指摘し、「その代替となる秩序が何になるかは、まだ見えていない」と伝えた。
















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