
米国が中東防衛強化のため、韓国などに配備していた防空戦力まで移動させる中、イランによるミサイル攻撃が続き、米軍防空網への負担が急速に高まっているとの見方が出ている。イランが弾道ミサイルと攻撃ドローンを大規模に投入しており、戦争が予想以上に長期化する可能性も指摘されている。
英紙ガーディアンは11日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領の中東特使スティーブ・ウィトコフ氏がイラン側に休戦協議開始の意思を2度伝えたものの、イランがこれをいずれも拒否したと報じた。
イランのカゼム・ガリババディ外務次官は「休戦が成立するには、米国がイランへの攻撃を再び繰り返さないという保証が必要だ」とし、「数か月後に別の攻撃が起きれば、そのような休戦は意味がない」と述べた。
イランのアッバス・アラーグチ外相も「トランプ大統領が『米国が戦争に勝利した』と一方的に宣言しても、紛争は終わらない」と述べ、長期化の可能性を示唆した。
米軍施設17か所攻撃 第5艦隊司令部も被害

イランは開戦後、これまでに米軍施設を少なくとも17か所攻撃したことが確認された。
米紙ニューヨーク・タイムズは11日、米国防総省関係者の話として、バーレーンにある米海軍第5艦隊司令部が約2億ドル(約300億円)規模の被害を受けたと報じた。
クウェートのアリ・アル・サレム米軍基地でも、衛星画像の分析により、衛星通信関連施設が少なくとも6か所破壊されたことが確認された。
また、開戦初週のイランによるミサイル攻撃で、27億ドル(約4,000億円)規模の高価なレーダーシステムが破壊されたと評価されている。これは米軍とイスラエルのミサイル防衛網にも影響を与えたとみられている。
「先に尽きるのはどちらか」 迎撃弾とミサイルの消耗戦

戦争が長期化した場合、最大の変数はミサイルと迎撃弾の在庫になるとの分析が出ている。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の軍事アナリスト、マーク・キャンシアン氏は「今回の戦争は結局、どちらが先に弾薬を使い果たすかの競争になる」と述べた。
西側の軍事アナリストによると、開戦初期の数日間で米国と同盟国はパトリオットPAC-3迎撃ミサイルを1000発以上使用した可能性がある。
PAC-3迎撃ミサイルは1発あたり300万~400万ドル(約4億~6億円)にされ、年間生産量も約500発にとどまる。長期戦になれば防空網の維持そのものが負担になるとの指摘が出ている。
一方、イランは長年にわたり弾道ミサイルと攻撃ドローンの戦力を大量に蓄積しており、発射施設も全国各地に分散配置しているため、先制攻撃だけで完全に排除するのは難しいとの見方が出ている。
ブルームバーグは今回の戦争について「米軍がこれまで相手にしたことのない種類の敵との衝突」だとし、初期空爆だけで戦局を掌握しようとした戦略が期待通りの効果を上げていないと分析した。
韓国配備のTHAADも中東へ 米防空網の負担増大

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米国は中東防衛強化のため、世界各地に配備していた防空システムを再配置しているとされる。
一部のパトリオットや高高度防衛ミサイル(THAAD)が韓国などから中東へ再配置されており、開戦後、この動きはさらに拡大したと伝えられている。
米軍の迎撃ミサイル在庫はすでに減少していた。2025年時点で米軍が保有するTHAAD迎撃ミサイルは600発程度とされ、昨年のイランとの衝突過程で150発以上が使われたとされる。
CBSニュースも昨年、米国防総省の内部報告書を引用し、パトリオット迎撃ミサイルの在庫が目標量の25%程度にまで低下したと報じている。
長期戦の変数となる「ミサイル在庫」
軍事専門家らは、今回の戦争が単なる空爆戦ではなく、ミサイルの生産能力と在庫を巡る消耗戦へと変わりつつあるとみている。
特にイランの大規模なミサイル戦力と攻撃ドローンが継続的に投入されれば、米軍と同盟国の防空網への負担はさらに大きくなる可能性がある。
専門家らは、今回の戦争が結局、イランのミサイルと米軍の迎撃ミサイルのどちらが先に底をつくかを左右する消耗戦になる可能性が高いとみている。
















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