
2016年の米大統領選でロシア政府の介入疑惑を巡る捜査を指揮したロバート・モラー元連邦捜査局(FBI)長官が81歳で死去した。
21日(現地時間)AP通信などによると、モラー前長官の遺族は声明で「昨夜、彼が亡くなったことを深い悲しみとともにお知らせする」との声明を発表した。死因は公表されていないが、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は昨年、モラー前長官がパーキンソン病を患っていると報じていた。
1944年生まれのモラー前長官は2001年から2013年まで第6代FBI長官を務めた。就任は2001年の米同時多発テロのわずか1週間前で、FBIが従来の犯罪捜査中心から対テロ・情報収集重視へと大きく転換する激動期を率いた。長官の任期は原則10年だが、テロ後の対応などを理由に、当時のバラク・オバマ前大統領が特例で任期延長を認めた。
AP通信は「この惨事はFBIの最優先課題を国内犯罪の解決からテロ防止へと一変させ、連邦政府全体にとって極めて困難な任務となった」としつつ「モラー前長官はFBIを対テロに特化した組織へと変革することに成功した」と評価した。
2013年に公職を退いた後、2017年にはロシア政府による米大統領選介入疑惑、いわゆる「ロシア疑惑」を捜査する特別検察官に任命され、再び復帰した。
捜査の焦点はドナルド・トランプ米陣営が2016年大統領選の結果に影響を与えるためロシアと違法に共謀したかどうかだった。約22カ月に及ぶ捜査の間、トランプ大統領は「魔女狩りだ」と批判を繰り返したが、モラー前長官はトランプ大統領の側近やロシア情報機関関係者など34人を起訴し、有罪答弁や有罪判決につなげた。
一方で、トランプ大統領については刑事起訴には至らなかった。特別検察官チームは、ロシアがトランプ大統領の当選を支援するため選挙に介入し、トランプ陣営がその支援を歓迎したと結論付けたものの、共謀を立証する十分な証拠はないと判断した。
モラー前長官は2019年の議会証言でも「ロシア政府が我々の選挙に広範かつ組織的に介入したことが明らかになった」と述べ「トランプ大統領の行為についても無罪が証明されたわけではない」と指摘していた。
モラー前長官の死去を受け、トランプ大統領は自身のSNSトゥルース・ソーシャルで「ロバート・モラー氏が亡くなった。良いことだ」と投稿し「彼はもう無実の人々を傷つけることはできない」と続けた。
一方、モラー前長官をFBI長官に指名した共和党のジョージ・W・ブッシュ元大統領は「モラー前長官の死に深い悲しみを表する。生涯を通じて公職に尽くし、FBIの任務を革新した」と追悼した。オバマ元大統領も「FBI史上、最も優れた長官の一人だった。組織を改革し、多くの命を救った」と評価した。
















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