追加兵力を投入しても武器不足で戦線拡大は困難
戦略目標の達成どころか「損失最小化」を迫られる可能性も

イランとの戦争が1カ月近く続く中、米国内では戦略の不在と兵器の枯渇への懸念が同時に強まっている。ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談は5月14日に予定されているが、この日程は米国が当初見込んでいた対イラン軍事作戦の期間6週間にさらに1カ月を上乗せした時期に当たり、この頃には中核兵器の在庫が底をついている可能性があるとの見方が出ている。
英紙テレグラフによると、米国のジェームズ・マティス元国防長官は23日「数千の目標を攻撃したという米中央軍の主張は、ホワイトハウスが掲げた目標の達成を意味するものではない」と批判した。
トランプ大統領は20日「目標達成に極めて近づいている」と述べたが、マティス氏は当初示されていた戦略目標は「無条件降伏」「政権交代」「次期最高指導者を米国が決めること」などだったと指摘した上で、米軍の攻撃目標数は目標ではなかったと述べた。
そして「当初の目標は明らかに非現実的だった。幻想にすぎなかった」と批判した。
ホワイトハウスはイランのミサイル能力を排除するとしてきたが、実際にイランはなお、米国や湾岸地域を脅かす能力を維持している。特に、世界の原油供給の要衝であるホルムズ海峡は機雷やドローン攻撃の危険から封鎖状態が続いている。米国はこれを取り除けず、ホルムズ海峡を再開できておらず国際原油市場の不安要因にもなっている。
こうした中、米軍は海兵隊遠征部隊2個と第82空挺師団の兵力を追加投入しているが、兵器供給の不足から戦争を拡大するのは容易ではない。マティス氏は「トランプ大統領は兵器、迎撃システム、そして時間のすべてが急速に尽きつつある状況に直面している」と指摘した。実際、戦争初期の16日間で米国は約1万1,000発の兵器を使用し、その費用は260億ドル(約4兆2,000億円)に達したという。
専門家らは「兵器不足が米国の戦線拡大の選択肢を狭めている一方、明確な出口戦略も見えていない」と警告している。ドイツ防衛大手ラインメタルのアルミン・パッペルガーCEOは「米国と中東、欧州の防空網はほぼ空になっている」とし「あと1カ月戦争が続けば、ミサイルは残らないだろう」と述べた。
英王立防衛安全保障研究所(RUSI)の報告書によると、米国は最大で1カ月以内に最も重要な兵器であるTHAAD防空システムやATACMS、PrSMといった地上攻撃ミサイルの在庫が底をつくと推計されているという。
米国防総省は、戦費を賄うため議会に2,000億ドル(約32兆600億円)の追加予算を求めたが、資金を積み増しても兵器生産の速度を急には引き上げられないと専門家らはみている。兵器生産は精密で複雑な上、米軍の兵器庫再建に必要なレアアースを中国が独占しているためだ。使用済みのトマホーク巡航ミサイル535発を補充するだけでも、少なくとも5年かかると見込まれている。
テレグラフは今回の戦争は米軍の軍事力を誇示する形で始まったものの、時間の経過とともに戦略目標の達成どころか、損失を最小限に抑えながら引き下がる結末に向かうとの見方が強まっていると伝えた。
















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