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「思いつきじゃない、最初からだ」トランプの対イラン戦略…長年温められた“次の一手”とは

織田昌大 アクセス  

引用:YouTube
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ドナルド・トランプ米大統領が、地上軍を投入してイランの主要な原油輸出拠点であるハールク(カーグ)島を掌握する案を軍事オプションとして検討しているとされる状況について、これを単なる思いつきの挑発とみるのは難しいとの分析が出ている。こうした高リスクな軍事構想は、38年前の1988年、当時ニューヨークで不動産業を営んでいた41歳のトランプ氏の頭の中に、すでに存在していたのだった。

ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は最近、SNSを通じて「トランプ大統領は生涯にわたり、イラン問題に対して驚くほど一貫した立場を取ってきた」と評価した。これは、1988年に英紙ガーディアンが行ったトランプ氏へのインタビュー内容を踏まえた発言とみられる。当時のインタビューは、トランプ氏が自著『トランプ自伝 アメリカを変える男』の出版直後に行われたもので、事業家としての成功にとどまらず、米国の外交・安全保障問題についても積極的に見解を示していた時期でもあった。そのため、個人的な意見表明を超え、「米国がいかに行動すべきか」という自身の構想を提示する性格を帯びていた。

当時のインタビューでトランプ氏は「私はイランに対して強硬に対応する。彼らは心理的に我々に打撃を与え、我々を愚かに見せている」と述べたうえで、「もし我々の部隊や艦艇に一発でも弾が撃ち込まれれば、私はハールク島に致命的な打撃を加える。踏み込んで、そこを占領するだろう(I’d go in and take it)」と公言していた。つまりこれは、イランの原油輸出の約90%を担う、いわゆる「王冠の宝石」と呼ばれるハールク島に対する直接的な攻撃と占領の意思が、すでに38年前の時点でトランプ氏の中に明確に存在していたことを示している。

こうした過去の発言を単なるレトリックとして片付けることができないのは、数十年前に示された構想を実際の政策として実現してきた前例があるためだ。トランプ氏は1987年9月、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった米主要紙に自費で全面広告を掲載し、「日本や他の国々は数十年にわたり米国を利用してきた」として、同盟国による安全保障上のただ乗りを批判した。こうした38年前の認識は、2025年の第2次トランプ政権において、実際の政策として再現された。

トランプ氏は昨年4月、「解放の日」を宣言し、同盟国を含む世界各国に対して相互関税を一方的に課すとともに、防衛費の問題を通商政策と結びつける強硬な圧力を実行に移した。1987年の新聞の全面広告が2025年の関税政策へとつながったように、1988年の「ハールク島占領」に関する発言も、いつでも実際の作戦として具体化し得る重要な軍事オプションであるとの見方が出ている。

実際、米軍の軍事的な動きも上陸作戦の現実味を高めている。日本に駐留していた米海兵隊約2,500人を乗せた強襲揚陸艦トリポリ(LHA-7)が、今週末にも中東のホルムズ海峡周辺に到着する見通しとされている。F-35B戦闘機やV22オスプレイなどを搭載し、事実上中型空母に匹敵すると評価されるこの戦力は、上陸作戦を遂行する能力を備えている。さらに、米軍が最近、ハールク島内の防空網などの軍事施設に対して精密打撃を実施しており、事前の制圧行動とみられる攻撃を行っているという点も、地上部隊投入の可能性を否定できない要因となっている。

しかし、古くからのこの軍事構想には重大な戦略的限界も存在するとの指摘がある。ハールク島の占領はイラン経済に深刻な打撃を与える可能性がある一方で、イラン情勢の核心的なリスクとなっている「ホルムズ海峡封鎖」そのものを解決することはできないためだ。ハールク島はホルムズ海峡から約644km離れている。安全保障の専門家は、たとえ米国がハールク島を掌握したとしても、イランが小型ボートや機雷などの非対称戦力を用いて、狭い海峡で国際商船を脅かす行為を根本的に阻止するのは難しいと指摘する。このため、トランプ氏がハールク島を占領した後も、ホルムズ海峡の統制という問題については、同海峡を通じて原油を輸入する利害関係国である同盟国に委ねる構想ではないかとの見方も出ている。

織田昌大
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