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「守られる側から脱却」アジア版NATO論が再燃、日米韓で“核共有”議論も浮上!

有馬侑之介 アクセス  

出典:ロイター通信
出典:ロイター通信

石破茂前首相は4月8日、ソウルで開かれた国際会議「アサン・プラナム」で、朝鮮半島と台湾海峡で同時に危機が発生する事態が最も危険なシナリオだと懸念を示した。こうした危機を防ぐには、将来的にアジア版NATOへ発展し得る米国の同盟国同士の連携強化が最も現実的だとし、この構想の推進に改めて意欲をにじませている。イラン戦争をきっかけに、米国のドナルド・トランプ大統領がNATO(北大西洋条約機構)からの離脱可能性にまで言及する中、アジア版NATO論が朝鮮半島の安全保障にどのような意味を持つのかが改めて問われる。

イラン戦争は、CRINK(中国、ロシア、イラン、北朝鮮)と呼ばれる権威主義国家の連携が、単なる外交協調を超え、実戦的な軍事技術共有の段階へ進んでいる現実を浮かび上がらせた。対艦弾道ミサイル、極超音速滑空兵器、低価格の自爆型ドローン「シャヘド」シリーズ、イージス艦を狙った飽和攻撃、地下ミサイル施設の建設などを巡り、北朝鮮とイランはすでに相当な実戦データを共有しているとされる。北朝鮮の核能力が高度化する一方、トランプ政権の発足後は北朝鮮の核問題が米国外交の主要議題から後景に退いた。そうした中で石破前首相が強調した「日米韓の核共有」という発想は、今後の日韓両国が対米外交を共同で進めるうえでの一つの方向性を示したと言える。

アジア版NATO構想の流れを振り返ると、2014年の安倍晋三元首相によるインド太平洋構想に続き、2023年のG7首脳会議では岸田文雄前首相も前向きな姿勢を打ち出した。一方、高市早苗首相は、憲法改正なしに全面的な集団的自衛権の行使は難しいとの認識を踏まえ、慎重な立場を取っている。日本は、台湾海峡、朝鮮半島、南シナ海を一体の戦域として捉える米国のインド太平洋安全保障構想に歩調を合わせ、日米を軸に西太平洋の新たな安全保障秩序を形作ることへ強い関心を寄せてきた。米国では2020年8月、スティーブン・ビーガン元国務副長官がクアッド(日米豪印)を基盤とするアジア版NATO創設に言及したものの、2023年8月にはジェイク・サリバン大統領補佐官が否定的な見解を示している。さらに2023年12月には、米国のマイケル・ローラー下院議員がアジア版NATOに相当するインド太平洋条約機構(IPTO)創設に向けた法案を提出したが、大きな推進力は得られなかった。現段階では、アジア版NATOの具体化はなお時期尚早だとみる見方が優勢である。

引用:韓国外交部
引用:韓国外交部

もっとも、アジア版NATOは、東北アジアの安全保障の軸となってきた日米、米韓の相互防衛条約とは性格を異にする。支持論の中には、この枠組みを導入すればNATOのように加盟国が攻撃を受けた際、米国の自動介入が期待できるとみる向きもあるようだ。しかし、それはNATO条約の理解として正確ではない。条約第5条は、締約国の一国に対する武力攻撃を全体への攻撃と見なし、集団的自衛権を行使すると定めているため、一見すると米国に自動介入義務があるようにも読める。だが、各国は自国の憲法上の手続きに従って条約を履行する建て付けであり、米議会の同意を経ずに米国が他国のため自動的に参戦するわけではない。アジア版NATO論を論じる際には、この点をまず押さえる必要がある。

アジア版NATOが実現するかどうかはなお見通せないが、参加候補としては日米韓に加え、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、カナダなどの名が挙がっている。実際には、アジア版NATOというよりも、いわゆるミニラテラル(少数国間協力)に基づく「日米韓プラス」の国家間協議体へ収れんしていく可能性が高い。第一次、第二次世界大戦で敵対したドイツとフランスが、その後はNATOを支える中核となったように、東北アジアでも日韓が主軸となり、新たな安全保障協力の時代を切り開く余地はある。とりわけ日米韓の間には、宇宙偵察や北朝鮮の核情報の共有、潜水艦哨戒、潜水艦や艦艇の救難、海上封鎖時の機雷除去、極超音速ミサイル発射前後の情報共有と対処、日本国内にある7つの国連軍後方基地からの有事物資の迅速展開、国連軍参加国による支援受け入れなど、実務的な協力課題が山積している。国内の一部でなお語られる自衛隊の朝鮮半島進入への懸念は、朝鮮半島有事と先端技術戦の現実に十分対応した発想とは言い難い。むしろ、戦後かつてなく緊密化した日米関係をてこに、日韓が同じ船に乗って米国を動かす新たな枠組みを構想すべき局面に入った。

アジア版NATO構想を補完、あるいはそれを超える選択肢としては、日韓が原子力潜水艦の建造能力や先端防衛産業技術を持つフランス、英国など欧州の主要国と、地域をまたぐ新たな安全保障協議体を模索する道もある。フランスは独自の核抑止力と原子力潜水艦技術を備え、英国はAUKUS(豪英米の安全保障協力枠組み)を通じて、原子力潜水艦協力の新たなモデルを示した。日米韓仏英、あるいは日韓仏英独による5か国の産業・安全保障協議体が発足すれば、先端技術産業で存在感を高めている韓国の地位を安全保障と結び付けて引き上げる好機にもなり得る。イラン戦争で目の当たりにしたように、CRINK体制で結束する権威主義国家群に対抗するには、日韓が連携して米国に核共有と拡大抑止の制度化を求めると同時に、欧州の安全保障、技術、産業を担う主要国とも結び付きを強め、MP5(5つのミドルパワー)型の安全保障協議体づくりを通じて戦略的自律性を高めていく必要がある。

有馬侑之介
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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