トランプ流「変転外交」に逆風…イランの不信増幅、交渉は難航

米国とイランの停戦交渉が再開に向かう兆しを見せていたが、ドナルド・トランプ米大統領の一貫性を欠く発言や突発的なコメントが逆に交渉環境を悪化させているとの指摘が出ている。
19日(現地時間)英紙ガーディアンによると、トランプ大統領はイランがホルムズ海峡を再び封鎖した翌日、パキスタンのイスラマバードで追加協議を行う考えを示し、米代表団の派遣を決定したという。
海峡の支配が交渉における重要な交渉材料であることを認めた形だが、頻繁な方針変更はイラン側の警戒感を高める要因となったとみられている。
20日にイスラマバードで予定されていた第2回協議は、開始前から混乱の様相を呈した。イランは第2回協議への不参加を表明した。
イラン国営通信のIRNAは協議不参加の理由として、米国の過度な要求、非現実的な期待、立場の変更、海上封鎖などを挙げた。イランは協議条件として、レバノンでの停戦維持、自国港湾への封鎖解除、海外資産凍結の緩和などを求め、段階的な相互措置の必要性を強調してきた。
当初は交渉がある程度進展するとの見方もあった。米国がイスラエルに対しレバノン停戦を促したことを受け、イランもホルムズ海峡の統制を一部緩和するなど対応を示した。この過程でイランの外相アッバス・アラグチ氏が関連措置に言及し、交渉の進展を示唆していた。
しかし、トランプ大統領の発言がこうした流れを覆したとガーディアンは指摘した。トランプ大統領はイランが海峡統制を全面解除し、高濃縮ウランの備蓄を米国に引き渡すことで合意したと主張し、イランの降伏を示唆する発言を重ねた。
ガーディアンは「相手側の敏感な国内事情や段階的交渉の必要性を無視したトランプ大統領の拙速な対応が結果としてイラン側の『協議ボイコット』という逆風を招いた」と指摘した。
イランはこれに即座に反発した。イラン政府はトランプ大統領の発言を事実無根と強く否定し、内部でも対応方針を巡る議論が続いたとされる。その後、イラン側の交渉代表であるモハンマド・バゲル・ガリバフ氏はインタビューでトランプ大統領を「虚偽の発言だ」と批判しつつも、外交の道は閉ざされていないとの立場を示した。
しかし、米国が封鎖解除に応じない状況を受け、イランは再び強硬姿勢に転じた。ホルムズ海峡の全面封鎖に踏み切り、圧力を強めた形だ。条件付きで緩和されていた海峡統制は振り出しに戻った。
トランプ大統領は同日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ホルムズ海峡近くのオマーン湾で米国の海上封鎖を突破しようとしたイラン貨物船TOUSKAを拿捕したと明らかにした。これに対しイランは報復措置として米軍艦艇を標的としたドローン攻撃を実施し、軍事的緊張が急速に高まった。
さらに、JDバンス米副大統領の協議参加の有無を巡り食い違う報道が続き、ホワイトハウス内の調整の混乱も浮き彫りとなった。トランプ大統領はABCニュースのインタビューで、第1回協議で首席代表を務めたバンス副大統領は今回は参加しないと述べたが、その後ホワイトハウスはバンス副大統領が第2回協議を主導するとの見解に修正した。
最大の争点はイランのウラン濃縮権利だ。イランは国内での濃縮を放棄しない立場を堅持しており、米国はこの制限を求めているため、根本的な妥協は容易ではないとみられている。
このため、短期間で包括的な合意に至るよりも衝突を抑制する最低限の枠組みを整えることが現実的との見方も出ている。
イランのファルス通信は「外務省と国家安全保障最高評議会が外国メディアの報道に対し沈黙を維持する方針を決定した」と報じた。
一方、米国とイランは今月7日、仲介国のパキスタンが提案した「2週間停戦案」を受け入れ、米東部時間で21日(イラン時間22日)を期限として停戦協議を進めている。
トランプ大統領は同日、「トゥルース・ソーシャル」への投稿で「米代表団がイスラマバードに向かっており、20日夕方の協議に向け到着する」と明らかにした。
ただし、イランが米国による停戦合意違反を主張しており、協議再開に応じない姿勢を示していることから、第2回協議が実際に開催されるかどうかは依然として不透明な状況だ。
















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