充電なしで100年稼働…超低電力「原子力電池」が話題米
NRD、100年持続の固体原子力電池「NBVシリーズ」公開
放射性同位体を利用した製品を開発する米国のメーカーが、充電なしで100年以上電力を供給できる固体型の核電池を公開した。
科学メディアのインタレスティング・エンジニアリングは、米ニューヨークに本社を置くNRD LLC(以下NRD)が、放射性同位体ニッケル63を燃料とする固体核電池「NBVシリーズ」を発表したと報じた。

ニッケル63は半減期が約100.1年の低エネルギーのベータ線放出同位体だ。NRDは、この電池がメンテナンス不要で100年以上にわたり安定した電力供給が可能であり、センサーや医療用インプラント、遠隔機器など、電池交換が困難な環境での活用を想定していると説明している。
この電池は、遠隔地や過酷な環境で稼働する超低消費電力デバイス向けに設計された。固体構造で完全に密閉されており、充電や交換が事実上不可能な条件でも長期間の使用が可能だ。特に、放射性崩壊で放出されるベータ粒子を電力に変換する「ベータボルタイック方式」を採用している点が特徴となっている。
従来の電池とは異なり、この電池は出力が徐々に低下する特性を前提に、極めて低い電力で長期間動作する。NRDによると、NBVシリーズの出力は5~500ナノワット(nW)で、一般的なCR2032コイン型電池の約10億分の1に相当する。
こうした特性から、NBVシリーズは橋脚内部に設置された温度センサーや油井底の圧力計、長期間の安定動作が求められる心臓モニターなど、高い信頼性が必要とされる用途を主な対象としている。電圧は1.0~20.0ボルト(V)、定格電流は7.5~33ナノアンペア(nA)で、サイズは約20mm×20mm×12mmの小型フォームファクターとなっている。
NRDの最高経営責任者(CEO)であるシェル・アルフィエロ氏は、「電力システムにおいてバッテリーのような重要部品に問題が生じれば、ミッション自体が成立しなくなる可能性がある」と述べ、「NBVシリーズは電池交換が現実的でない環境において、長期的な信頼性と安定した電力供給を実現する無保守型のマイクロ電源ソリューションだ」と強調した。
NRDは、この技術が産業モニタリングや環境センシング、セキュリティシステムに加え、持続的な低電力が求められるAIベースの自律プラットフォームにも応用可能だとしている。最高執行責任者(COO)のケビン・ヘフナー氏は、「今回の発表は、長年蓄積してきた規制核物質技術を次世代電力ソリューションへと拡張する重要な節目だ」と評価した。
ただし、同社は量産スケジュールや商用化計画についての詳細は明らかにしていない。また、この電池の長寿命はニッケル63の半減期に基づくものの、実際の性能はエネルギー変換効率や遮蔽設計、システム統合条件などによって左右される可能性があると同メディアが伝えた。













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