イラン対応批判の余波に「米国は最重要パートナー」
駐独米軍5,000人撤収、自動車関税25%に引き上げ
閣僚も対米関係修復に奔走

イラン情勢への対応を批判したことで、ドナルド・トランプ米大統領の報復措置を受けたドイツのフリードリヒ・メルツ首相が、米国は最も重要な同盟国だと強調し、関係修復に乗り出した。
3日(現地時間)、ロイター通信などによると、メルツ首相は同日夜、ドイツ公共放送ARDのインタビューで「米大統領が我々と異なる見解を持っていることを受け入れざるを得ない」とした上で、「しかし、しかし、米国が最も重要なパートナーであるとの確信は変わらない」と述べた。メルツ首相は、イラン対応で見解の違いがある中でも、トランプ大統領と引き続き協力していく考えを示し、「大西洋関係への取り組みを諦めることはない」と述べた。
トランプ大統領がイランを巡る戦闘への批判に反発し、駐独米軍の削減や欧州連合(EU)に対する自動車関税の引き上げで対抗する中、両国関係が前例のないほど緊張している状況での発言だ。
メルツ首相は4月27日、西部のギムナジウムを訪れ、学生との討論の中で、米国がイランとの終戦交渉に明確な戦略もないまま臨んでいるとした上で、米国全体がイランに屈辱を受けていると厳しく批判した。これに対しトランプ大統領は、「移民やエネルギー問題を含め、まずは自国の立て直しに集中すべきだ」としてメルツ首相への批判を強め、駐独米軍約5,000人を6~12か月以内に撤収させるよう指示した。さらに、EU産の乗用車やトラックに対する関税も15%から25%へと10ポイント引き上げると発表した。
自動車産業はドイツの基幹産業の一つであり、トランプ大統領が予告した関税引き上げは、メルツ首相との対立が影響したとの見方が出ている。
メルツ首相は同日のインタビューで、米軍の撤収計画が両首脳間の対立と関係しているかと問われ、「何の関連もない」と否定した。その上で、「ここ数日聞いた内容は全く新しいものではない」とし、「やや誇張された面はあるが、驚くべきことではなく、報復とみる必要もない」と述べた。
ドイツのDPA通信は、メルツ首相が3月にホワイトハウスでトランプ大統領と会談した直後、トランプ大統領が駐独米軍の駐留を継続すると改めて確約したと述べていたと伝えた。さらに、米軍撤収によって生じる空白をドイツ連邦軍が埋める準備は整っていないことも認めていたとDPAは報じた。
メルツ首相は、米国がジョー・バイデン前政権下の2024年に約束した巡航ミサイル「トマホーク」のドイツ配備についても、実現可能性は低いとの見方を示した。「客観的に見て、現時点で米国がこの種の兵器を供与する可能性はほとんどない。自国で十分な数量を保有していないためだ」と説明した。
バイデン前大統領は2024年のNATO首脳会議で、射程約2,500kmの巡航ミサイル「トマホーク」など、ロシア領内に到達可能な従来型弾頭の中距離兵器を、冷戦終結後初めて2026年までにドイツへ配備する方針を表明していた。
こうした中、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などは2日、米国防総省が駐独米軍の削減計画の一環として、中距離ミサイルのドイツ配備計画を撤回したと報じた。
一方、ドイツの閣僚らも、両国首脳の激しい応酬によって緊張した関係の緩和に向けて対応を急いでいる。AFP通信によると、ヨハン・ヴァーデフール独外相は同日、イランのアッバス・アラグチ外相と電話会談し、ホルムズ海峡の再開や核開発計画の放棄を求めたほか、ドイツが米国の緊密な同盟国であることを強調した。
ヴァーデフール外相は電話会談後、自身の「X(旧Twitter)」への投稿で、「米国の緊密な同盟国として、我々はマルコ・ルビオ米国務長官が求めているように、イランが完全かつ検証可能な形で核兵器を放棄し、ホルムズ海峡を直ちに再開しなければならないという目標を共有している」と述べ、米国との連携を強調した。
AFP通信は、ヴァーデフール外相をはじめとするドイツの閣僚らがここ数日間、両国首脳の対立を背景に高まった緊張の緩和に向けて対応を続けていると伝えた。
















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