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「米イラン核協議」が1か月停滞…”攻撃再開”の懸念に、仲介役パキスタンも苦戦

有馬侑之介 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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米国とイランの和平交渉は、高濃縮ウランの処理など核問題を巡る意見の隔たりから、1か月以上にわたり停滞している。トランプ米政権はイランへの攻撃再開を示唆するなど圧力を強め、早期の進展を図っているものの、依然として具体的な接点は見いだされていない。

ドナルド・トランプ米大統領は18日(現地時間)、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領が、19日に予定していた対イラン軍事攻撃の保留を要請した」と明きらかにした。

その上で、現在は真剣な交渉が進行中であり、これらの指導者を含む同盟国の見解として、米国のみならず中東諸国やその他の国々にとっても受け入れ可能な合意が成立するとの見通しを示した。さらに、その合意にはイランの「核兵器保有の禁止」が含まれることになると強調した。

イランとの交渉が長期化する中、トランプ政権は大規模な空爆の再開を決定したが、湾岸諸国の首脳らからの要請を踏まえ、攻撃を一時的に見送った。関係国首脳によれば、イラン側の立場も「核兵器保有の禁止」を含む合意に徐々に歩み寄っているという。しかし、「核兵器保有の禁止」を巡る米国とイランの解釈には大きな隔たりがあり、核問題で両国が短期間のうちに合意点を見いだすのは難しいとの見方が出ている。

イランは、前最高指導者のアリ・ハメネイ師が「核兵器保有の禁止」を内容とするファトワ(宗教令)を出して以来、核兵器開発を行わないという公式立場を維持してきた。

ただ、武器級ではない低濃縮ウランの濃縮については、核不拡散条約(NPT)加盟国に認められた主権的権利であり、平和的な核利用の権利は放棄できないとの立場を取っている。また、平和目的の核濃縮を継続し、国際原子力機関(IAEA)など国際社会の査察を受け入れる限り、実質的には核武装放棄と同等だと主張している。

米国は、最大440キログラムとされるイラン国内の60%濃縮ウランの全量搬出に加え、ウラン濃縮そのものを少なくとも20年間停止しなければ核放棄とは認めないとの立場を維持している。

両国は先月7日(現地時間)に2週間の停戦を発表した後、11~12日にパキスタンのイスラマバードで対面協議を行い、その後も1か月以上にわたり水面下で交渉を続けてきたが、こうした立場の違いは埋まらず、協議は平行線をたどっている。

イランは、戦争とホルムズ海峡をめぐる対立の収束を優先し、核交渉は後回しにする立場を14項目にまとめ、先月28日に米国側に伝えた。これに対しトランプ政権は、停戦合意の段階からイランの「核放棄」が不可欠だとの立場を崩していない。米国側は、ウラン濃縮の20年間の停止に加え、60%濃縮ウランの米国への移送、さらにナタンズ、イスファハン、フォルドゥの3施設の解体を要求している。

こうした中、イランは高濃縮ウランの一部を希釈し、残りを第三国に移転する案を提示して回答したが、トランプ大統領は「全く受け入れられない」として一蹴した。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、イラン側はさらに、米国が合意を破った場合には搬出したウランを再び回収できる保証条項を求めていたという。

両国は14~15日に行われた米中首脳会談を前に和平交渉の再開を試みたが、最終的に具体的な進展は得られなかった。

イランは、交渉再開の条件として、全戦線での敵対行為の終結、対イラン制裁の解除、凍結資産の返還、戦争被害の賠償、ホルムズ海峡における主権的権利の承認の5項目を提示したとされる。核交渉については後回しとし、まず戦争の終結を優先する立場を改めて示したという。

米国側も、高濃縮ウランを初期段階で放棄させるという立場を維持している。米国側は、賠償金の支払い拒否、高濃縮ウラン約400キログラムの引き渡し、核施設1か所の運営維持、イランの海外凍結資産のうち25%は解除対象としないこと、さらに全戦線での敵対行為と交渉を連動させることなど、5項目を提示したという。

その後も、イラン側の14項目に対する米国の回答、それに対するイランの修正案が、パキスタンを通じて断続的にやり取りされていると伝えられている。

両国の報道内容を総合すると、経済制裁の緩和などでは一定の歩み寄りも見られる一方、高濃縮ウランの処理など核心的な争点については隔たりが大きく、合意の見通しは依然として不透明だ。

イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官は18日、「イランのウラン濃縮権はNPTに基づくものであり、他国の承認は必要ない」としたうえで、「交渉や妥協の対象にはならない」と強調した。

一方、 アクシオスは同日、米政府高官の話として、イランの新提案には「核兵器を追求しない」との文言が追加されたものの、ウラン濃縮の停止や高濃縮ウランの引き渡しに関する合意は含まれていなかったと伝え、進展の可能性は低いとの見方を示した。

同高官は、「核プログラムに関する真剣かつ詳細な協議を望んでいる」とし、「そうでなければ、我々は爆弾を通じて対話することになり、残念な結果になるだろう」と付け加えた。

また、両国の立場の調整や交渉再開に向けた説得に尽力してきたパキスタンについて、仲介の限界に直面しているとの報道も出ている。

パキスタンのモフシン・ナクヴィ内相がテヘランを訪れ、イランの要人に対し説得を続けていた18日、トランプ大統領は「イランが早く動かなければ何も残らない」と述べ、圧力を強める姿勢を示した。

アルジャジーラは専門家の見方として、「パキスタンが米国とイラン双方から軽視される立場に追い込まれる可能性がある」と指摘し、「米国がオマーンやカタールを通じた交渉ルートを重視するようになった場合、あるいはパキスタンが双方に十分な影響力を行使できないと判断された場合、同国の仲介役としての役割は後退する」との見方を伝えた。

有馬侑之介
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