
北大西洋条約機構(NATO)のバルト海沿岸地域での空中警戒任務に就いていたルーマニア空軍のF-16戦闘機が19日、エストニア南部上空でウクライナのドローンとみられる物体を撃墜した。
ウクライナ側は意図しない事態だったとして謝罪した。一方、ロシアは、バルト海沿岸諸国からウクライナのドローンが発射された場合には報復措置を取ると警告している。
エストニアのハンノ・ペフクル国防相は、エストニア軍がウクライナの無人機を撃墜したのは今回が初めてだと述べ、「飛行経路を分析した結果、撃墜が必要だと判断した」と語った。また、同国の領空に侵入したドローンは、南部のヴォルツヤルヴ湖上空で撃墜されたと説明した。
このドローンの侵入を受け、エストニア南部、東部、南東部のタルトゥ、ヨゲヴァ、ヴィリャンディ、ヴァルガ、ヴォル、ポルヴァの各県に空襲警報が発令された。ペフクル国防相は AP通信のインタビューで、「今回のドローンは、おそらくロシア国内の標的を狙っていたものとみられる」との見方を示した。
今回の撃墜は、ロシアを標的としたウクライナのドローンがNATO加盟国の領空に侵入したり、墜落したりした一連の事案の最新例となった。西側の当局者らは、ロシアがロシアが電子妨害によってドローンの航行を妨げた可能性が高いとみている。
AP通信は19日、こうした事案について、ウクライナのドローン技術の向上と生産拡大を背景に、ロシア内陸部のエネルギー施設や兵器工場を狙った攻撃が活発化する中で発生していると報じた。17日には、ウクライナによる大規模なドローン攻撃により、少なくとも4人が死亡し、12人が負傷したとロシア当局が発表した。死者のうち3人はモスクワ近郊で確認された。
ウクライナ外務省のヘオルヒー・ティヒ報道官は、同様の事案の再発防止に向け、ウクライナとエストニアの専門家が対応策を講じていると明らかにした。ティヒ報道官は「X(旧Twitter)」への投稿で、「エストニアおよびすべてのバルト海沿岸国に対し、意図しない事態について謝罪する」と表明した。
一方、ペフクル国防相は、「ロシアの陣地や標的を攻撃する際には、NATO加盟国の領土から可能な限り離れた飛行経路をとるよう、ウクライナ側に繰り返し求めてきた」と述べた。
ロシア対外情報庁(SVR)は19日の声明で、ウクライナがバルト海沿岸諸国の領土からロシアを標的としたドローン攻撃を準備していると主張し、報復の可能性を警告した。
声明では、ウクライナ軍がすでにラトビアに展開しているとしたうえで、同国がNATO加盟国であることは正当な報復から免れることを意味しないとけん制した。同庁はさらに、「最新の監視システムにより、ドローンの発射地点の座標を正確に把握できる」としている。
ラトビアのエドガルス・リンケービッチ大統領は「X(旧Twitter)」への投稿で、「ロシアは、ラトビアが自国の領空や領土を利用してロシアや第三国への攻撃を認めているかのような虚偽の主張をしている」と反論した。
また、エストニアのマルグス・ツァフクナ外相も19日に発表した声明で、ウクライナにはロシアの軍事目標を攻撃する権利があるとしたうえで、「エストニアの領空がロシアに対する攻撃に利用されることは認めていない」と強調した。さらに、「今回のような事案は、ロシアによる電波妨害活動と関連している」との見方を示した。
















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