
ドナルド・トランプ米大統領が、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」を通じて、戦争に関するメッセージや停戦発表、政敵批判、インターネットミームなどを次々と発信しているとの分析が出ている。大統領によるSNS投稿が、国際情勢だけでなく原油価格や世界の市場まで動かす新たな統治手段となっているとの指摘も出ている。
英BBCは28日(現地時間)、同局エディターのロス・アトキンス氏と、「BBC Verify」による分析結果として、トランプ氏が今年1月から4月までにSNSに投稿または共有した内容が計2,457件に達したと報じた。これは1日平均約20件に相当する。BBCは、トランプ氏がSNSを、自身の考えをリアルタイムで発信する場であると同時に、主要政策を発表する窓口や、同盟国への圧力、敵対国への威嚇手段として活用していると分析した。
「BBC Verify」は、公開資料や映像、写真、各種データを基に、虚偽情報やオンライン上の投稿内容を検証するBBCの専門チームだ。
トランプ氏の「トゥルース・ソーシャル」への投稿が注目を集める背景には、強固な権力基盤がある。BBCは、トランプ政権の主要ポストに忠誠派が配置されているうえ、連邦議会上下両院も共和党が掌握していることから、同氏の投稿が実際の政策シグナルとして受け止められていると指摘した。
代表的な事例が、イランとホルムズ海峡をめぐる問題だ。ホルムズ海峡は世界の原油や天然ガス輸送の要衝であり、イランは戦闘後に同海峡を封鎖し、エネルギー価格に大きな影響を与えた。
トランプ氏は4月5日、イランに対し、ホルムズ海峡を開放しなければ代償を払うことになるとの趣旨で警告した。さらに2日後には期限を示し、「文明全体が消滅する可能性がある」とする強硬なメッセージも投稿した。期限が迫る中、各国はトランプ氏の投稿に注目を強めた。その後、停戦成立を伝える投稿が掲載された。
BBCは、トランプ氏が投稿した、米国の対イラン海上封鎖に関する発表が原油価格の急騰につながったと指摘した。同氏の投稿一つが数十億ドル(数千億円)規模の市場変動を引き起こす可能性があると分析している。

問題となっているのは、その予測不可能性だ。BBCは、一つの投稿が特定の政策を確定したかのような印象を与える一方で、次の投稿では正反対のメッセージが発せられる可能性があると指摘した。市場や各国政府、一般の人々がこうした不確実性を受け入れざるを得ない状況になっているという。
分析の結果、トランプ氏のアカウントでは特定の時間帯に投稿が集中する傾向も確認された。1月5日午前1時から2時にかけては64件の投稿が再共有されており、平均すると1分あたり1件のペースに相当する。
同じ時間帯には、ベネズエラ関連の投稿のほか、ジョー・バイデン前大統領の対ベネズエラ政策を批判する内容や、米国によるグリーンランド統治の必要性を主張する映像、移民受け入れ停止を求める投稿、2020年大統領選挙の不正を主張する内容なども相次いで共有された。
最も投稿数が多かったのは1月23日で、この日トランプ氏のアカウントには計120件の投稿や再共有が行われた。
時間帯別では午後9時から10時が最も活発で、BBCは午前3時から4時を除き、ほぼ全ての時間帯で投稿や再投稿が継続していたと分析している。
トランプ氏のアカウントには、政策や戦争に関するメッセージだけが投稿されているわけではない。BBCによると、同氏をイエス・キリストのように描いたAI生成画像や、月面にそびえるトランプ・タワーの画像のほか、歌手ブルース・スプリングスティーン氏や俳優ロバート・デ・ニーロ氏を標的とした攻撃的な投稿も確認された。
BBCは、トランプ氏が自身のフィード上で「偽物と本物、事実と虚偽、ユーモアと侮辱的表現」を混在させていると指摘した。その上で、トゥルース・ソーシャルは、同氏が独自の情報空間を構築すると同時に、現実世界にも影響を及ぼす場になっていると評価している。
















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