
ウクライナの欧州連合(EU)加盟のための分野別実務交渉が早ければ今月中旬に本格的に始まる見通しだ。これまで足かせとなっていたハンガリーの拒否権問題が解消されたためだ。
EU「ウクライナ・モルドバとの正式交渉開始へ」…今月中旬にも
キーウ・インディペンデント(KI)によると、EU議長国を務めるキプロスは3日(現地時間)、SNSの「X(旧Twitter)」を通じて、「ウクライナおよびモルドバとのEU加盟交渉について、第1クラスター(分野別交渉)を正式に開始するための準備手続きを始めた」と明らかにしたという。
さらに、「加盟交渉開始に関するEU閣僚理事会内の協議を締めくくるため、数日以内に実務調整を行う予定だ」と付け加えた。
交渉は、今月15~16日にルクセンブルクで開催されるEU拡大担当閣僚会議で正式に開始される見込みだ。
ハンガリー系少数民族問題の解決で「突破口」
こうした進展は、ウクライナとハンガリーが少数民族の権利問題で合意に達したことを受けたものだ。
ハンガリーは親ロシア派のオルバン・ビクトル前首相の在任中、ハンガリー系少数民族の権利問題を巡り、ウクライナのEU加盟手続きの進展を妨げてきた。しかし、4月に政権を握ったマジャル・ペーテル新首相はこの問題に関してウクライナ当局と和解に達したと発表した。
EUの拡大担当欧州委員であるマルタ・コス氏は、「ハンガリー系少数民族の権利向上に関する合意により、ウクライナのEU加盟プロセスを前進させることが可能になった」と述べた。
候補国入りから4年で正式交渉開始
ウクライナは2022年2月のロシアによる全面侵攻後、EU加盟を申請し、同年6月に正式な「加盟候補国」の地位を付与された。その後、EUは2023年12月の首脳会議で、ウクライナとの正式な加盟交渉開始を宣言した。
今回開始される手続きは、正式加盟国になるための「分野別実務交渉」を実質的に本格化させるものだ。法律・制度・市場など総33章(Chapter)を6つのクラスター(Cluster)にまとめて審査を進める。交渉の開始と終了は各クラスター単位で別途決議される。
6つのクラスターは、ファンダメンタルズ(Fundamentals)、単一市場(Internal Market)、競争力・包摂的成長(Competitiveness and Inclusive Growth)、グリーンアジェンダと持続可能な連結性(Green Agenda and Sustainable Connectivity)、資源・農業・結束(Resources, Agriculture and Cohesion)、対外関係(External Relations)などだ。
このうち第1クラスターである「ファンダメンタルズ」は、民主主義、法の支配、人権保護、司法の独立、汚職撲滅、行政改革など、国家の基盤そのものを審査する最も重要な段階とされている。
最終加盟までの道のりは険しく…数年以上かかる可能性
ただし、正式な加盟交渉が始まったからといって最終的な加盟が保証されるわけではなく、明確な期限も設けられていない。トルコの場合、2005年に交渉を開始したが、20年が経過した今も加盟の見通しは不透明な状態だ。
KIは、「ハンガリーが拒否権を撤回したことで第1クラスター開始への道は開かれたが、残るクラスターのうちいくつが今月中に追加で開始できるかは不透明だ」と指摘した。
実際、商品や労働力の自由な移動を保障しなければならない第2クラスター(単一市場)は、戦時下にあることから開始が容易ではない。また、交通政策などを含む第4クラスターや農業分野を扱う第5クラスターについても、ウクライナとの競争激化を懸念するポーランドの反対により、早期の開始は難しいとの見方が強い。
マジャル首相は記者会見で、「仮にウクライナが10年あるいは15年以内に33章すべての交渉を完了した場合、我々はこの問題について国民投票を実施する」と述べ、加盟までには長い時間を要する可能性を示唆した。













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