
政府は、LNG運搬船の建造産業を2035年頃までに再興を目指し、韓国との技術協力に乗り出す方針だ。エネルギー安全保障の観点から輸送能力の確保が重要だと判断し、政府主導でLNG運搬船の建造再開を目指す。
15日付の日本経済新聞によると、今治造船、川崎重工業、名村造船の造船3社は、2035年頃をめどにLNG船の建造を再開し、年間3~5隻を建造する計画だ。政府は、国産LNG船を購入する船主に対し、韓国製や中国製との価格差を補うための補助金を交付する案を検討している。
政府が今月中に策定する「官民投資ロードマップ」には、国産LNG船の建造を再開する方針が盛り込まれる。造船業は、高市政権が指定した17の重点投資分野の一つで、LNG船への支援は造船業の成長に向けた中核事業に位置付けられている。
政府や造船各社は、2019年にLNG船の建造が途絶えたことで失われた製造技術を取り戻すため、韓国企業にも協力を要請しているとされる。
特に、国内には世界のLNG船で主流となっているメンブレン方式のタンクを製造する技術がない。日本経済新聞は、政府と造船3社がLNG船の建造再開に向け、タンク製造技術を保有する韓国の造船業界との協力を進め、韓国の大手造船会社から技術移転を受ける案を検討していると報じた。LNGタンク技術のライセンスを保有するフランス企業にも協力を求める方針だ。

韓国では現在、今後3~4年分の受注枠が全て埋まっている。日本経済新聞は、人手不足が続く中、中国企業が急速に追い上げていると指摘した。その上で、韓国側にとっても日本と協力することで、顧客が中国企業に流れるのを防ぐ効果が期待できると伝えた。
1980~1990年代、国内の造船会社はLNG船市場を事実上独占していた。しかし、2000年代に韓国の造船技術が向上すると、国内勢は市場での存在感を失っていった。国内の造船会社が、球形のタンクを複数搭載する「モス方式」にこだわる一方、韓国の造船会社は、貯蔵効率に優れた「メンブレン方式」で先行し、国内勢の市場シェアを奪った。メンブレン方式は、船体内部の空間をLNGタンクとして活用する方式で、高度な技術が求められる。近年は中国企業も急成長している。現在、世界のLNG船建造市場では、韓国が約70%、中国が約30%を占める。
国内では、発電燃料や都市ガスに使用するLNGの需要の約98%を輸入に依存しており、その輸送にはLNG運搬船が欠かせない。現在、輸入LNGの輸送には約100隻のLNG船が就航している。船舶の更新周期を約20年と想定した場合、年間5隻を建造すれば、必要なLNG輸送能力を国内で維持できる計算だ。
3社は、それぞれが保有するLNG船の設計技術を共有するとともに、溶接技術者を相互に活用し、共同建造体制を構築する計画だ。生産拠点には、香川県の川崎重工業坂出工場が有力視されている。今後、ほかの造船会社が協力体制に加わる可能性もある。














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