
米国とイランが21日(現地時間)スイスで終戦に向けた対面協議を開始した中、イラン側がドナルド・トランプ米大統領によるレバノン情勢を巡る威嚇発言に抗議し、協議の席を一時離れたとイランメディアが報じた。
イラン半官営タスニム通信は同日、イラン代表団関係者の話として「トランプ大統領がイランと交渉団に対して行った威嚇は了解覚書(MOU)第1条に明白に違反するものだ」とし「代表団はトランプ大統領の発言に抗議し協議の席を離れた」と伝えた。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)もイラン国営メディアを引用し「イラン代表団は約80分間にわたる和平協議の途中で会場を離れた」と報じた。また「米大統領による侮辱的なメッセージの発信により協議は困難な局面に入った」と伝えている。
トランプ大統領は両国の対面協議開始に合わせ、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「イランはレバノンで問題を引き起こしている、巨額の資金援助を受けた代理勢力を直ちに止めなければならない」と投稿し、さらに「そうしなければ、先週以上に強力な攻撃を再びイランに加える」と警告した。
両国が17日に締結した終戦に向けたMOU第1条には「米国とイランおよび双方の同盟国は、レバノンを含むすべての戦線で軍事作戦の即時かつ永続的な停止を宣言し、互いに戦争や軍事作戦を開始せず、武力による威嚇や武力行使を自制するとともにレバノンの領土保全と主権を尊重する」と明記されている。
イラン側はトランプ大統領がレバノン情勢を理由にイランへの攻撃を示唆したことは第1条に盛り込まれた「互いに武力による威嚇や武力行使を控える」との合意に反すると主張しているとみられる。
イラン側の交渉代表を務めるモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長も自身のX(旧ツイッター)で「彼らは発言に慎重であるべきだ。我が軍は別の方法で対応する準備ができている」と投稿し「米国の脅しを意に介することはない」と強調した。
ただし、イラン代表団が交渉の場から席を立ったことが、この日の協議決裂を意味するかは明らかになっていない。
タスニム通信以外にイラン代表団の退席を大きく報じた主要メディアはなく、両国は凍結されたイラン資産の解除問題など主要な争点について一定の歩み寄りを見せたとの見方も出ている。
イラン国営放送IRIBによると、イラン代表団は米国との約80分間の協議終了後、会場を離れず仲介国カタール側との二国間協議を続けたという。
また、ファルス通信はイラン代表団関係者の話として「協議では凍結資産の解除やその方法について議論した」と伝え「イラン産原油や関連製品に対する米国の制裁を一時的に免除する内容の合意案はすでに作成を終えた」と報じた。
一方で同関係者は「レバノンでの戦闘終結に向けた問題が解決するまで、MOUのその他の条項は履行段階へ移行しない」と述べ、レバノン情勢の解決が最優先課題との認識を示した。

















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