
ドナルド・トランプ米大統領と共和党議員が中間選挙まで5カ月を切る中で激しく対立した。トランプ大統領が住宅価格引き下げ法案よりも有権者資格保護(SAVE法)を先に成立させるよう要求してから数時間後のことだった。トランプ大統領は党内の有力な批判派を厳しく非難し、議員側もイランへの軍事行動を巡って真っ向から反論した。
25日(現地時間)米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ大統領は23日、共和党上院議員との昼食会を開き、SAVE法への支持拡大を呼びかけた。同法は中間選挙勝利の鍵になるとの認識を示しているが、成立に必要な支持は確保できていないという。会合ではトランプ大統領は早々に話題をイラン問題へ移した。
トランプ大統領と共和党のビル・キャシディ上院議員はイランへの軍事行動とキャシディ議員の最近の採決を巡って激しく口論した。キャシディ議員は大統領の戦争権限を制限する案に賛成票を投じていた。関係者によると、トランプ大統領は先月、キャシディ議員の予備選挙落選を主導した経緯にも触れながらキャシディ議員を「敗者」と呼び、座るよう命じたという。これに対しキャシディ議員は「誰にも座れと命令される筋合いはない」と言い返した。
さらにトランプ大統領は共和党のリサ・マーカウスキー上院議員を厳しく批判し、ランド・ポール上院議員も非難した。両議員はキャシディ議員や共和党のスーザン・コリンズ上院議員、多くの民主党議員とともに対イラン軍事行動から米軍の撤退を求める拘束力のない決議案に賛成していた。
トランプ大統領は先週、イラン指導部との間でホルムズ海峡の再開放と核開発計画の終結に向けた了解覚書(MOU)に署名した。これに続き、ホワイトハウスは同日遅く、戦争関連費用として876億ドル(約14兆1,700億円)の追加予算を議会に要請した。
昼食会後、キャシディ議員は記者団に対し、自身も感情的になったことを認めた。トランプ大統領がイラン戦争権限決議案に誰が賛成したのか問いただしたためだという。キャシディ議員は「トランプ大統領は米国民に何が起きているのか説明していない。4週間で終わると言っていたのに、すでに4カ月続いている」と批判した。
一方、トランプ大統領は記者団に「非常に良い会議だった」と述べたものの、イラン問題を巡る党内対立には触れなかった。そのうえで「出席者のほとんどは気に入っている。何人かはそうではないが、それでも構わない」と語った。
85対5で可決した法案も人質に「まずSAVE法を」
トランプ大統領が成立を求めるSAVE法は上院でフィリバスター規定上60票の賛成が必要となる。共和党は53対47で多数派を占めているものの、民主党からの賛同は見込めていない。トランプ大統領はフィリバスター制度の廃止も求めたが、共和党のジョン・スーン上院院内総務は応じなかった。
またトランプ大統領はこの日午前、上下両院で可決された超党派の住宅法案への署名を見送る方針を表明した。SAVE法が成立するまで住宅法案には一切対応しない考えを示した。
住宅法案は上院で85対5、下院でも358対32の賛成多数で可決された。21世紀住宅ROAD法と呼ばれるこの法案には、一部住宅事業に対する連邦環境審査の迅速化や組立式住宅建設に関する規制緩和などが盛り込まれている。
法案の起草に携わった民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は「都市部でも地方でも住宅購入者や賃貸住宅の居住者、高齢者、多子世帯にとっても恩恵のある法案だ。それにもかかわらず、トランプ大統領は関心を示していない」と批判した。
こうした対応により共和党が11月の中間選挙を前に、生活費高騰への対策を進めているという印象を有権者に示そうとする戦略は狂う可能性がある。民主党が中間選挙で下院の多数派を奪還する可能性が高まっているとの見方も出ている。
共和党のトム・ティリス上院議員は「今議会では成立の見込みがない法案のために、署名目前の法案を人質に取る理由が理解できない」と述べた。
一方、米国憲法では議会で可決された法案は大統領が署名するか拒否権を行使しない限り、約2週間後に法律として発効する。共和党が多数を占める議会は法案をホワイトハウスへ送付する手続きを無期限に遅らせることも可能とされている。













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