「AIが仕事を奪う」は誤解なのか…米2万社分析で見えた“採用増”の現実

人工知能(AI)へ積極的に投資している企業が、そうでない企業に比べて、より速いペースで人員を増やしているという研究結果が発表された。これは、AIが大規模な失業を引き起こすという予測とは相反する結果だ。
30日(現地時間)のフィナンシャル・タイムズ(FT)によると、生成型AIを最も積極的に導入した企業は、導入後最初の2年間で事務職(ホワイトカラー)従業員数が平均10.2%増加した。職務や職階を問わず雇用が拡大しており、新入社員や若手社員の数も12%増加した。
今回の研究は、アメリカのテクノロジー系スタートアップであるランプ(Ramp)とレベルリオラボ(Revelio Labs)が約2万2,000社のアメリカ企業の組織規模とAI投資データを組み合わせて分析したもので、組織ごとの雇用状況とAIへの投資規模を関連付けて調査した初めての事例となる。
一方、AIを導入したものの投資規模が小さい企業(従業員1人あたりのAI投資額が下位3分の2の企業)では、AIを導入していない企業と比較して、雇用に有意な変化が見られなかった。
研究チームは、AIが企業の採用拡大につながる可能性はあるが、その効果は生産性の向上をもたらすのに十分な規模の投資が行われた場合に限られると分析した。
論文の共同著者であり、ランプのチーフエコノミストであるアラ・カラジアン氏は「AIを積極的に活用する企業ほど、より速い成長を遂げていることは明らかだが、その恩恵はすべての企業に均等にもたらされているわけではない」と述べた。また、「雇用の増加効果はAI導入後、少なくとも6~12ヶ月が経過してから現れるものであり、一定の水準以上の投資が必要だ」と語った。さらに「月に数ドルを支払ってChatGPTを利用する程度では、このような効果は得られない」と付け加えた。
ただし、今回の研究結果については慎重に解釈する必要があるとの指摘も出ている。ある労働経済学者は、AIを最も積極的に導入している企業は相対的に規模が小さいケースが多いと言及し、「『AIを積極的に導入した企業がより早く成長している』のか、それとも『急速に成長している小規模なスタートアップが、早い段階からAIを多く導入した』のかを区別するのは容易ではない」と語った。
カラジアン氏も、今回の研究で示された雇用増加の大部分はテクノロジー企業で発生しており、調査対象も事務職の労働者に限られていると説明している。
学界でも、AIが労働市場に与える影響については意見が分かれている。昨年11月に発表されたスタンフォード大学の研究では、AIへの依存度や関連性が高い職種において、若手・初級人員の雇用が16%減少したと分析した。一方、ハーバード大学の経済学者らが28万社を対象に行った研究では、AIを導入した企業で新入社員の採用は減少したものの、管理職など上位職の雇用には大きな変化が見られなかった。













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