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米国・日本に続きEUも、中国の超低価格プラットフォーム規制に乗り出す

織田昌大 アクセス  

欧州連合(EU)は、中国発の低価格越境EC商品の流入を抑制するため、規制を強化した。米国が中国・香港発の800ドル(約12万9,000円)以下の小口輸入品を対象とした少額免税制度を廃止したのに続き、日本でも低価格の越境EC商品に対する課税制度の見直しが進められている。EUも通関手数料の導入に踏み切ったことで、AliExpress、Temu、SHEINなど中国系ECプラットフォームの価格競争力は低下するとの見方が出ている。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ/ChatGPT
引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ/ChatGPT

ロイター通信によると、EUは1日(現地時間)、域外から輸入される150ユーロ(約2万8,000円)以下の越境EC商品を対象に、品目ごとに3ユーロ(約553円)の通関手数料(暫定措置)を課す方針を示した。対象となるのは、航空便で消費者に直接配送される商品だ。例えば、衣類のみが入った荷物であれば3ユーロの手数料が課される一方、衣類や玩具、日用品など異なる3種類の商品が同じ小包に入っている場合は、合計9ユーロ(約1,660円)の手数料が課される可能性がある。

この手数料は、通関手続きや安全性検査などにかかる行政コストに充てられる。ただ、今回導入される制度は、2028年にEUが新たな関税制度を導入するまでの暫定措置と位置付けられている。2028年以降は、EUの関税改革に伴い新設される関税管理システムの下で運用される予定だ。

EUが今回の措置に踏み切った背景には、中国発の低価格越境EC商品の急増があるとみられる。欧州委員会によると、2025年にEUへ流入した150ユーロ以下のEC小包は約58億個に達し、2022年の約14億個から3年間で4倍以上に増加した。EUは、このうち相当数が中国のECプラットフォームを通じて販売された商品とみている。急増する小口貨物への対応で税関業務の負担が増したほか、EUの規制を順守する域内企業が価格競争で不利な立場に置かれていることも、今回の措置の背景にあるとみられる。

EUに先立ち、米国も中国発の低価格越境EC商品に対する規制を強化した。米国は昨年5月、中国・香港発の800ドル以下の小口輸入品を対象としていた「デミニミス(de minimis)」制度による免税措置を廃止した。さらに、同年8月29日からは、対象をすべての国・地域から輸入される小口輸入品へと拡大した。

日本でも低価格越境EC商品に対する課税制度の見直しが進められている。政府は、2026年度税制改正で、中国発の低価格商品の流入に対する管理を強化した。改正では、課税価格1万円以下(販売価格ベースで約1万6,666円以下)の輸入品を対象とした消費税の免税制度と、個人輸入品に適用されていた関税額の40%軽減措置が廃止された。一方、英国でも、EUの措置を受けて中国発の低価格小包が国内へ迂回流入する可能性への懸念が高まっており、同様の制度の導入を検討している。

各国が中国発の低価格越境EC商品への警戒を強める中、中国系ECプラットフォームも対応を進めている。ロイター通信によると、SHEINはポーランドなど欧州域内で物流網の整備を進め、中国から商品を個別発送する従来の方式から、現地で在庫を確保して配送する方式へと転換している。AliExpressも、一部の国では関税や付加価値税(VAT)を含めた価格を表示するなど、制度変更への対応を進めている。

今回の措置により、中国発のEU向け越境EC航空貨物は短期間で減少するとの見方が出ている。ロイター通信によると、EC・航空貨物分野のコンサルタントであるデリック・ロシング氏は、手数料の導入後、数週間以内に中国系ECプラットフォームによるEU向け航空貨物の輸送量が10~35%減少するとの見方を示した。ロシング氏は「米国が昨年、小口輸入品に対するデミニミス制度を廃止した際、中国系ECプラットフォームにとって欧州市場は有力な代替先となっていた。しかし、今では欧州市場に代わる市場は存在しない」と述べた。

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