ロシアで燃料不足深刻化、国債金利16%台に上昇…戦争の影響が金融市場にも波及

ウクライナ軍の長距離ドローンがシベリア・オムスクにあるロシア最大級の製油所を攻撃したことで、ロシアの燃料不足が金融市場の不安にも波及している。ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、ロシア国債金利は16%台半ばまで上昇した。欧州の情報機関もロシアの銀行危機が発生する可能性を指摘している。
米経済メディア・マーケットウォッチは7日(現地時間)、ウクライナによるロシアのエネルギー施設への攻撃が製油所への打撃を通じて燃料不足と金融市場の混乱を招いており、燃料不足がウラジーミル・プーチン露大統領の戦争継続能力を揺るがす要因として浮上していると分析した。
ウクライナは6日、国境から約2,500キロ離れたシベリア・オムスクの大規模製油所をドローンで攻撃した。この製油所はロシア全体の製油能力の約8%を担う中核施設とされている。
マーケットウォッチが引用したフィナンシャル・タイムズ(FT)の分析によると、ウクライナの長距離ドローンは今年に入り、ロシア国内の標的、特に製油所などのエネルギーインフラを少なくとも194回攻撃したという。主な標的はウラル山脈以西の欧州ロシア地域に集中しており、攻撃の頻度も増加傾向にある。
燃料不足はすでに市民生活にも影響を及ぼしている。米ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティによると、ロシアの燃料生産能力は過去1年間で約4分の1減少し、ロシアの連邦構成主体の約3分の2で燃料販売の制限や供給不足が報告されているという。
一部のガソリンスタンドでは燃料が底を突き、給油待ちの車の列が長く続いている。ロシアが実効支配するクリミア半島では、燃料や電力不足の影響で一部住民がクリミア半島を離れざるを得ない状況も生じているとマーケットウォッチは伝えた。
燃料不足は生活への影響にとどまらず、ロシア政府の戦費調達にも重い負担となっている。ロシア10年物国債利回りは6月初旬以降、約2ポイント上昇し16%台半ばに達した。国債金利の上昇はロシア政府が戦費を調達する際により高い金利負担を強いられることを意味する。
ロシア債券市場は欧米の制裁により外国人投資家の取引が事実上停止している。米財務省外国資産管理局(OFAC)はロシア国債の取引を禁止し、ユーロクリアやクリアストリームなど主要な国際証券決済機関もロシアの国家証券保管機関との取引・決済ルートを遮断した。このため、現在のロシア国債市場にはロシア国内金融機関やベラルーシ、カザフスタンなど友好国の投資家が主に参加している。
銀行界への懸念も高まっている。欧州の情報機関は最近の報告書で2026年にロシアで銀行危機が発生する可能性を警告した。この報告書では、昨年ロシアで約50万人が破産し、一部の銀行では個人向け融資の不良債権比率が最大15%に達する可能性があると分析している。
また、戦争の長期化に加え、高金利や家計債務の悪化が重なり、ロシアの金融システムが不安定化するリスクが高まっていると評価した。
ロシアの反体制派で、かつてロシア最大の石油大手ユコスを率いたミハイル・ホドルコフスキー氏は最近の寄稿で、ロシアの燃料不足の問題は製油能力の低下そのものではなく、物流や政府の意思決定システムにあると指摘した。
燃料価格を自由化すれば需要の高い地域へ供給を迅速に振り向けられるが、価格の急騰はクレムリンにとって政治的負担となる。

ロシア政府が地域間の燃料輸送を効率的に調整することも可能だが、ホドルコフスキー氏は汚職や行政の非効率性から適切な配分は困難だと分析した。ロシア政府が2013年に禁止した低品質のユーロ2基準燃料の生産・輸入を一時的に認める案まで検討していることも、供給不足の深刻さを示す兆候だとみられている。
ガソリン不足が軽油不足にまで広がれば影響はさらに大きくなる。軽油は農業や物流に不可欠な燃料であり、製油能力がさらに大幅に低下すれば収穫期を控えたロシアの農業や物流網にも打撃が及ぶ可能性がある。
新ユーラシア戦略センターの上級研究員、ジョン・ラフ氏はマーケットウォッチへのメールで、ロシア経済が本格的な危機に陥る時期を予測するのは難しいとした。ロシアが石油製品の輸入をどれだけ長く続けられるか、またウクライナがロシアの復旧速度を上回るペースで製油所を攻撃できるかが鍵になるという。
ラフ氏はロシア経済に深刻な構造的危機が表面化するまでには「少なくとも6カ月以上」かかる可能性があると指摘した。このため、製油所への攻撃が直ちに戦況を左右する決定打になるとは言えないものの、マーケットウォッチはこうした攻撃がプーチン大統領を交渉の場に引き出すロシア内部の要因として影響力を強める可能性があると分析している。














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