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ホルムズ海峡で船舶攻撃…米国「イラン80カ所を攻撃、原油販売も制裁」

荒巻俊 アクセス  

終戦交渉に赤信号、国際原油価格が再び乱高下
米国「攻撃の代償を払わせる」と空爆再開
イランも「主要米軍施設85か所を攻撃」
米中間選挙まで終戦交渉が遅れる可能性も
原油価格、MOU前の水準まで上昇

引用:AFP通信
出典:AFP通信

米国がイランによる商船攻撃を理由にイランへの空爆を再開し、両国間の軍事緊張が再び高まっている。イランは中東地域の米軍基地を攻撃し、対抗措置に出た。ホルムズ海峡を巡る軍事衝突を受け、国際原油価格は急騰した。11日に予定されている終戦に関する了解覚書(MOU)交渉の再開も不透明になったとの見方がある。

◇米国とイランが応酬

7日(現地時間)、米中央軍はSNSで「イランが国際海域で無実の民間人が乗船していた商船を標的に攻撃したことへの代償を払わせるため、強力な空爆を開始した」とし、「イランの標的80か所以上を攻撃した」と明らかにしている。さらに「イランの攻撃は明白な休戦違反だ」と強調した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、今回の空爆が先月17日の終戦合意後に行われた攻撃の中で最大規模だと報じた。

米中央軍によると、イランは前日夜から7日午前にかけて、ホルムズ海峡を通過していた商船3隻を攻撃した。対象となった船舶は、液化天然ガス(LNG)を運んでいたカタール船籍の船舶と、サウジアラビアおよびリベリア船籍のタンカーとされる。中東メディアのアルジャジーラは「機雷除去作業が行われている海域に進入したため、イラン軍の標的になった可能性がある」と分析した。

イランへの空爆に踏み切る直前、米財務省はイラン産原油に関する制裁も復活させた。これにより、イランは17日までに関連するすべての取引を停止しなければならない。米国はイランとMOUを締結する過程で、イラン産原油の海外販売を60日間認めていた。これは核プログラムの解体を目指す後続交渉にイランを参加させるための重要なインセンティブの一つに位置づけられている。

イランは米国の空爆直後、バーレーンとクウェートにある米軍基地を攻撃し、即座に報復した。イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、イラン革命防衛隊(IRGC)は声明で「主要米軍施設85か所を攻撃した」と発表した。

◇不安定なMOU問題が浮き彫りに

地政学的緊張が再び高まる中、国際原油価格は上昇を続けた。9月渡しのブレント原油先物価格は同日、前取引日比3%高の1バレル=74.16ドル(約12,000円)で取引を終えた。その後、アジア市場ではブレント原油が一時1バレル=76ドル(約12,300円)まで上昇している。米国産標準油種のWTI(西部テキサス産原油)8月渡し先物も2.8%高の1バレル=70.44ドル(約11,400円)で引けた。

先月結ばれた両国のMOUが不安定だと市場が再確認し、原油価格が急騰したとみられる。WSJは「今回の事例は、暫定合意がいかに多くの問題を未解決のまま残していたかを示している」と指摘した。米国とイランは、ホルムズ海峡の通行料徴収の是非を巡って見解に隔たりがある。

MOU合意後にわずかに増えていたホルムズ海峡の船舶通行量は、再び減少するとの観測も出ている。船舶追跡会社Kpler(ケイプラー)によると、3日から3日間の船舶通行量は計108隻にとどまった。戦争発生直後には、海峡を通過する船舶が1日2隻程度まで急減している。戦争前は1日120~140隻が通過していた。

双方が互いにMOUを先に破ったと主張しており、終戦交渉にも少なからぬ難航が予想される。イランは11月の米中間選挙前まで交渉を遅らせる可能性もある。オータス・アドバイザーズのアンドリュー・ジャクソン戦略責任者はCNBCに「11月が近づくほど、米国のドナルド・トランプ大統領に対するイランの交渉上の優位性は高まる」と述べた。

今回の軍事攻防が、イランの前最高指導者であるアヤトラ・アリ・ハメネイ師の葬儀日程中に起きたことも影響を及ぼす可能性がある。イランのアッバス・アラグチ外相は「イラン国民数百万人が団結し、アヤトラ・アリ・ハメネイ師の功績をたたえた」とし、「脅威が続くなら、最終合意に関する交渉は始まらない」と述べた。ただし、WSJによると、米国は最終合意に向けてイランとの交渉を継続する方針とされる。

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