ロシアの製油所に続き、今度はタンカーも…プーチン氏の「石油供給網」を狙い撃ちするゼレンスキー氏

ロシア本土の製油所などエネルギー施設を重点的に攻撃しているウクライナが、今度はタンカーも標的にし始めた。ウクライナ軍参謀本部は9日(現地時間)、通信アプリ「Telegram(テレグラム)」を通じ、8日夜から9日未明にかけて、アゾフ海(クリミア半島東側の海域)でロシアのタンカー12隻、タグボート1隻、貨物船1隻をドローンで攻撃したと発表した。これに先立ち、ウクライナ軍は6日、7日、8日にもアゾフ海一帯でロシアのタンカーを集中的に攻撃しており、その他の船舶も含めると、計35隻以上が一斉に攻撃を受けた。
ウクライナ軍は、「攻撃した船舶は、ロシア軍部隊に燃料や潤滑油を供給するだけでなく、国際制裁を回避して原油や石油製品を輸送するためにも使われていた」とし、これらの船舶はいわゆる「影の船団」に属していたと主張した。「影の船団」とは、国際社会の制裁を逃れるため、不透明な所有構造を持ち、正式な規制を回避しながら運航するタンカーや貨物船の集団を指す。ウクライナ侵攻によって資金源を断たれたロシアは、原油や禁輸対象品目などの輸送にこうした船団を活用しており、その規模は少なくとも1,000隻に上ると推定されている。

ウクライナが最近、タンカーや貨物船への攻撃を強めている背景には、クリミア半島に展開するロシア軍を完全に孤立させる狙いがあるとみられる。ウクライナ軍による継続的な攻撃で、橋を利用した陸上輸送に大きな支障が生じている中、海上輸送まで遮断し、ロシア軍への補給を断つ戦略だ。さらに、「影の船団」を通じて原油を密輸し、戦費を調達してきたロシアに経済的な圧力を加えることで、戦争遂行能力にも大きな打撃を与える狙いがある。アゾフ海はケルチ海峡を通じて黒海とつながる内海で、クリミア半島のケルチ港には原油積み出し施設があり、タンカーが頻繁に寄港している。
今回のタンカー攻撃は、ウクライナがロシアの製油所や石油貯蔵施設に対する長距離ドローン攻撃を続ける中で行われた。ウクライナは6月と7月、モスクワをはじめとするロシア後方の製油施設を重点的に攻撃しており、ロシアの最も脆弱な「エネルギーの急所」を突くことで、戦争継続能力をまひさせる狙いだ。実際、モスクワの製油施設は6月だけでも少なくとも4回攻撃を受けたほか、タタールスタン共和国のタネコ製油所、黒海沿岸の燃料ターミナル、カフカス港の石油貯蔵施設、クラスノダール地方スラビャンスクの製油施設でも火災が発生した。7月には、ニジニ・ノヴゴロド州のノルシ製油所、サンクトペテルブルクの石油ターミナル、さらに前線から約2,500km離れたシベリア・オムスクの製油所にまでウクライナのドローンが到達し、長距離攻撃の最長記録を更新した。

こうした攻撃が続く中、ロシア各地では燃料不足が広がっている。一部地域では燃料販売の制限措置が実施され、ガソリン価格も急騰したほか、ガソリンスタンドには長い車列ができている。ロシアはついに、インドとカザフスタンからガソリンの輸入を始めたとされる。
これに先立ち、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの製油施設への攻撃について、「われわれは以前からロシアに戦争を終わらせるよう提案してきた」と述べ、「今度は戦争の苦しみを、その始まりの地であるロシア本土に返していく」と強調した。














コメント0