
日本の航空業界を牽引するANAホールディングスと日本航空が、2025年4〜6月期連結決算で国際線需要の伸びを追い風に史上最高の売上高を記録したと日本経済新聞が31日に報じた。
一方で国内線事業は収益性の悪化が続き、2026年3月期には営業赤字へ転落する可能性が指摘されている。
JALの4〜6月期純利益は前年同期比94%増の270億円、売上高は11%増の4,710億円となり、力強い回復を示した。
ANAHDの売上高も6%増の5,487億円に到達し、両社とも国際線の好調が全体業績を押し上げた。
具体的には、JALブランドの国際線旅客収入が11%増の1,849億円、ANAの国際線収入も9%増の2,062億円に伸長した。
国内線売上高はJALが8%増の1,342億円、ANAが7%増の1,619億円だったが、利益面では厳しさが際立つ。
訪日外国人観光客は増加基調を維持するものの、国内空港間路線は新幹線との競争激化で需要拡大が難航している。
JAL国内線における訪日客利用率は4%にとどまり、ビジネス需要が減少する中でレジャー客を取り込むため割引販売に注力している。

JALは機材小型化などで国内線供給量を削減し、過度な運賃下落を抑えようとしているが、4〜6月期の国内線平均運賃は前年同期比5%下落した。
円安によるドル建て燃料費増大も国内線収益を圧迫し、コスト負担が一段と重くのしかかっている。
JALの斎藤祐二副社長は国内線営業利益について「黒字を辛うじて維持するか、赤字に転落する可能性がある」と危機感を示した。
ANAHDの中堀公博CFOも「2026年3月期には国内線部門が赤字に陥る見通しだ」と述べ、両社が抱える国内線の課題が鮮明になった。
注目の記事