
『米国移民・関税執行局(ICE)』の職員が4日、米国市民の男性を逮捕した後、後部座席の乳児をチャイルドシートに乗せたまま現場を離れたとして、家族と弁護士が5日に抗議した。
移民弁護士が公開した映像には、覆面で武装した職員がロサンゼルス市内の『ホーム・デポ』駐車場で男性を車から引きずり出し、逮捕・連行する様子が映っていた。職員は、後部座席のチャイルドシートに固定された1歳の娘を残したまま車両を運転し、現場を離れた。
一方、ICE職員が同駐車場で拘束した男性は、米国生まれの市民権保持者だったと、リンジー・トーチロフスキー移民者保護法律センター共同創設者は述べた。
逮捕の場面を目撃した地域住民らは、乳児を家族と引き合わせるために移民法律事務所に通報した。弁護士によると、男性は移民ではなく米国市民であったため、弁護を引き受けることはできず、事件の異常さを伝えるに留まった。
トーチロフスキー弁護士は、武装した職員らが乳児を乗せた車に強引に侵入し連れ去る行為は極めて危険だと指摘した。さらに、家族は当日、ロサンゼルスの連邦事務所を探し回った末に乳児を引き取ったと述べた。
同弁護士は、当局職員は乳児の安全と利益を最優先に考慮すべきだったにもかかわらず、法的規定を順守しなかったと指摘した。『米国国土安全保障省』と『米国移民局』の当局者は、職員が男性を逮捕し、乳児を乗せた車を運転して現場を離れた理由について、『AP通信』の質問に即答しなかった。
広報官が発表した電子メール声明によると、同日、米国市民が1人逮捕された。逮捕は、国境警備隊員がロサンゼルス市内の店舗で取締作戦を実施中、ハンマーを持ち職員に石を投げつけた人物を逮捕する過程で発生したという。
当時の作戦で5人の移民が移民法違反で逮捕され、乳児が車内にいた状況下でも逮捕を続行したことは事実だとした。 しかし、5日現在、男性が拘束されてから24時間が経過しても所在は確認できていない。母親のマリアは記者団に対し、前日、不明な番号から電話があり、乳児を市内の国境警備隊事務所に迎えに来るよう告げられたと語った。
乳児は無事だったが、カリフォルニア生まれで飲食業に従事する父親は直ちに釈放されなかった。 マリアは、自身と息子、孫娘がいずれも米国市民だとし、乳児の身元保護のため姓は公表しなかった。
彼女は、職員らが乳児を乗せた車に乗り込み運転して去る場面の映像を見た後、「恐ろしい光景だった。彼らが誰なのか分からなかった」と語った。

















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