
4日(現地時間)に実施された注目の3つの地方選挙で、共和党が相次いで敗北した。これを受け、ドナルド・トランプ米大統領の党内での影響力が低下しているとの見方が浮上している。トランプ大統領は連邦政府の一部閉鎖を解消するため、民主党の「フィリバスター」(議事妨害)を無効化するよう共和党に強く求めているが、党内の支持は広がってはいない。任期が3年以上残る中、早くもレームダックの兆候が指摘されている。
トランプ大統領は8日、自身のSNS『トゥルース・ソーシャル』に「共和党はフィリバスターを破壊すべきだ。これに反対する者は敗者だ」と投稿した。トランプ大統領は先月からフィリバスターの無力化を繰り返し訴えており、この日は同様の投稿を4回行った。
現在、共和党は上院100議席中53議席を有する多数党だが、民主党のフィリバスターを突破してつなぎ予算案を可決し、政府閉鎖を終わらせるには60票が必要となる。このため、フィリバスター終結に必要な票数を単純過半数(51票)に引き下げる、いわゆる「核のオプション」の発動を大統領は求めている。
しかし、フィリバスターには少数党に拒否権的な役割を与え、超党派的な合意形成を促す機能があるとされる。上院はこれを下院との違いを象徴する制度として重視しており、安易な無力化には慎重な姿勢だ。さらに、将来民主党が多数党に転じた際、共和党が少数党として議会内の影響力を失う可能性もある。直近の選挙での敗北を踏まえると、強硬策は世論の反発を招きかねない。こうした理由から、共和党は大統領の要求に応じていない。
一方、『ポリティコ』は、マルコ・ルビオ上院議員が非公式の場で「次期大統領選の共和党候補はJ・D・ヴァンス上院議員が最有力であり、支持する意向を示した」と報じている。大統領の任期開始から1年も経たない段階で、党内の一部がすでに「ポスト・トランプ」の後継構図を意識し始めていることを示すものだと指摘されている。
米政界では、2028年大統領選でヴァンス上院議員が大統領候補、ルビオ上院議員が副大統領候補としてコンビを組む可能性が取り沙汰されている。なお、先月『ポリティコ』が前回大統領選でトランプ支持層を対象に実施した世論調査では、次期共和党候補としてヴァンス氏を支持するとの回答が最も多く、35%を占めたという。














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