
高市早苗総理の「台湾有事に介入する」との発言を受け、中国と日本の軍事対立の様相が鮮明になっている。中国は最近、黄海で継続的に軍事訓練を行い、日本に圧力をかけている。特に24日には、19世紀の日清戦争で日本に敗れた「劉公島」周辺の海域で実弾演習を実施した。これは、23日に小泉進次郎防衛相が台湾からわずか111キロの最西端・与那国島を突如視察したことへの対応だとみられている。
高市総理と中国の李強首相は、22~23日に南アフリカのヨハネスブルグで開催された主要20カ国(G20)首脳会議で会談しなかった。特に23日の記念撮影の場でも、両者は挨拶すら交わさなかった。高市首相は「中国との対話の扉は開かれている」としつつ、「日本が主張すべきことは主張することが重要だ」と述べ、台湾有事への介入発言を撤回しない意向を示しており、両国の対立は長期化するとの見方が出ている。
中国・山東省の威海海事局は24日、「劉公島」東方の海域で実弾射撃訓練を行うと発表した。「劉公島」は1895年、清朝海軍の主力艦隊である北洋艦隊が日本連合艦隊と激闘を繰り広げ敗北した場所で、その結果、日本軍は周辺の渤海湾を制圧し、戦争でも勝利した。
今回の訓練は、当時の苦い歴史を忘れず、日本側の軍事的挑発があった場合には強く対応する意図があるとみられる。中国政府の公式観光サイトでは「劉公島」を「国恥を忘れないための警告の地であり、民族復興への決意を集める魂の聖地」と紹介している。
また、中国当局は23日から12月7日までの約2週間、渤海湾および黄海北部の一部海域で軍事訓練を理由に船舶などの出入りを禁止した。これに先立ち、17~19日には黄海中部、18~25日には黄海南部でも実弾射撃訓練を実施しており、黄海での訓練範囲は中部、南部、北部の順に徐々に拡大している。
また22日、中国ロケット軍は微博などに、人民解放軍の兵士が「もし今日戦争が起きたら、私の答えはこれだ」と叫ぶ場面で始まる映像を投稿した。映像には、中国軍の訓練シーンや、今年9月に第二次世界大戦勝利80周年記念の軍事パレードで披露された最新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)-61」も登場している。この映像は公開直後、中国のポータルサイト・百度でリアルタイム検索ランキング1位となった。

高市総理は23日、記者団に対し、今回のG20会議で李首相と接触しなかったことを明らかにした。高市総理は、中国に対して言うべきことはしっかり言うべきだと述べ、「この姿勢を基に適切に対応していく」とも語った。また、今回のG20会議では中国語の通訳をあえて同行させなかったことも分かっており、当初から李首相との対話の意思はあまりなかったことを示している。
24日付の『読売新聞』の調査によると、高市内閣の支持率は72%で、1か月前より1ポイント上昇した。核心支持層である保守層の支持が堅調なことから、高市総理自身も中国との対話や関係改善に強く迫られてはいなかったとの分析が出ている。日本外務省幹部は『日本経済新聞』に対し、「中国との関係回復には最長で4~5年かかる可能性がある」と述べた。
日本も中国の圧力に対応する姿勢を示している。小泉防衛相は23日、与那国島の陸上自衛隊駐屯地を視察し、「防衛体制の強化は極めて重要な課題であり、自衛隊の部隊配置や施設整備、日米共同訓練などを着実に実施していく」と強調した。
今後、日本はこの島に地対空ミサイル部隊を配備し、敵の航空機や巡航ミサイルを迎撃する体制を整える予定である。また、住民の避難施設の整備も進められている。
















コメント0