
アメリカのドナルド・トランプ大統領が、大麻に対する連邦規制の緩和に向け、正式に手続きを開始した。
報道によると、トランプ大統領は11月18日(現地時間)にホワイトハウスで、大麻を現在のスケジュールIからスケジュールIIIの規制物質に再分類する手続きを迅速に進めるよう、司法省に指示する大統領令に署名したことが判明した。
トランプ大統領は「合法的な医療用途が認められるスケジュールIIIの規制物質として大麻を再分類する行政命令に署名できたことを嬉しく思う」とし、「深刻な苦痛の中で、この措置を切実に求めている人々がいる」と語った。
さらに「これにより、大麻関連の医療研究がはるかに容易になり、その有効性や潜在的なリスク、将来の医療用法を研究できるようになる。非常に前向きな影響をもたらすだろう」との見方を示している。
大麻は1970年に導入された連邦の規制物質法(CSA)においてスケジュールIに指定され、ヘロインやLSD、エクスタシーなどと同様に連邦法上は違法とされてきた。
現在、40の州およびワシントンD.C.では医療目的での使用が認められ、24の州では娯楽目的での使用も合法化されているが、連邦政府はこれまでスケジュールIの指定を維持してきた。
スケジュールIIIへの再分類が完了すれば、研究目的や医療用としての大麻使用が合法化されるほか、大麻を取り扱う事業者に対する税制上の控除が可能となる。
ただし、大麻の使用が完全に非犯罪化されるわけではない。24の州で州法上認められている娯楽目的での使用についても、今回の再分類とは無関係に連邦法上は引き続き起訴の対象となるということである。
大麻卸売プラットフォーム「ナビス」の創設者であるビンス・ニン氏は、今回の行政命令について「研究を加速させ、社会的スティグマを軽減し、新たな投資を呼び込む。そして産業の足かせとなってきた税負担の緩和につながるだろう」と述べ、歓迎の意を示した。
トランプ大統領は、昨年の選挙戦においても、大麻をスケジュールIIIに再分類すべきだという考えを明らかにしていた。
前任のジョー・バイデン政権も2023年にスケジュールIIIへの移行を推進したが、麻薬取締局(DEA)の行政手続きが長期化し、任期内に完了しないまま退任することとなった経緯がある。
一方で、共和党内では反発も起きている。共和党の上院議員22人は11月17日、「トランプ大統領への健康上の懸念」「飲酒・薬物使用による運転」「欠勤の増加問題」などを理由に、大麻をスケジュールIとして維持するよう求める書簡をトランプ大統領に送付した。
また、共和党の下院議員9人も昨夏、ボンディ司法長官に対し「大麻はヘロインとは異なるが、依然として乱用の可能性があり、科学的に証明された治療価値はない」として、スケジュールIの指定維持を求めていたとされている。













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