
高市早苗首相が、23日に召集される通常国会の冒頭で衆議院解散に踏み切る可能性が取り沙汰されている。政権発足から3か月を迎えた現在も内閣支持率は70%を超えており、この極めて高い支持が解散判断の強力な追い風となっている。
とりわけ注目されるのは、これまで日本政治の周縁に置かれてきた若い世代から圧倒的な支持を集めている点だ。政治に無関心とみなされてきた若年層が、高市内閣の中核的な支持基盤として浮上している。その背景には何があるのか。
「読売新聞」が先月公表した全国世論調査によると、高市内閣の支持率は73%に達した。発足直後から70%台の高水準を2か月以上維持した例は、細川護煕内閣(1993年)や小泉純一郎内閣(2001年)以来となる。
支持の牽引役は18~29歳の若年層だ。「産経新聞」の調査では、同年代の支持率が92.4%に達するという驚異的な数字を記録した。30代から50代にかけても全体平均を上回る支持を得ており、首相の愛用する私物が話題になるなど、名前の「サナエ」と活動を掛け合わせた「サナ活」と呼ばれる現象まで広がっている。
法政大学の白鳥浩教授(政治学)は、「従来の女性首相に対する『中道的』という固定観念を覆し、強い保守的メッセージを前面に出した点が若者層に新鮮に受け止められている」と分析する。SNSが主要な情報源となった若年層に対し、高市首相の直接的で分かりやすい話法が極めて有利に作用しているという。
高市首相は、安全保障や外交、国家の役割をめぐる保守的なメッセージを発信する際、長文の説明を避け、賛否が明確に分かれる言葉を意図的に選んでいる。こうした発信スタイルは、コロナ禍以降、SNSを通じた政治情報の入手が定着した若者の間で速やかに拡散された。
また、2000年代以降の日本の産業競争力低下や、長期にわたる賃金停滞による若年層の「剥奪感」が、支持という形で表出しているとの見方もある。既存の構造に順応するのではなく、それを打破しようとする力強い姿勢が、日本の国際的地位の低下や世代間の不満を抱える層に響いているという。
街頭での支持理由も、具体的な政策への評価より、鮮明なイメージや共感に基づくものが多い。30代の有権者からは「曖昧にされてきた問題をはっきり指摘している」「『働いて、働いて、また働く』という姿勢が心に響いた」といった声が聞かれた。
こうした強固な支持基盤は、高市首相が外交上の摩擦を招きかねない強硬な発言を維持するうえでの「緩衝装置」としても機能している。一方、課題は持続性だ。白鳥教授は「支持固めを優先する戦略が、将来的に経済的コストや外交摩擦として跳ね返ってきた場合、共感を軸とした支持は急速に揺らぐ可能性がある」と指摘する。
自民党内では、維新の会の協力に依存する不安定な政権運営を解消するため、若年層の支持が堅調な今のうちに解散を断行し、政権基盤を再編すべきだとの声が強まっている。通常国会の開会直後に解散し、2月中旬までに総選挙を実施する日程が現実味を帯びる中、高市首相が最終的にどのような決断を下すのか、政界の耳目が集まっている。














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