カーニー加首相はなぜ「反トランプ」の旗を掲げるのか 対米強硬に転じた背景
カーニー首相、USMCA交渉のカード確保へ
早期総選挙で過半数を狙う布石
トランプ大統領「中国と協力なら100%関税」

マーク・カーニー首相が、これまで比較的良好な関係を築いてきたドナルド・トランプ大統領と、最近は衝突する場面が目立っている。初の「非英国人」としてイングランド銀行総裁を務めた経歴を持ち、慎重な性格の「経済通」と評されてきたが、対米戦略を強硬路線へ切り替えたことで注目を集める。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は25日(現地時間)、カーニー首相がトランプ大統領に対し、いわゆる「ナイスガイ(穏健)戦略」を手放して強硬策を選んだ背景を取り上げた。カーニー首相は先週、スイスで開かれた世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)で、トランプ大統領の「米国第一」的な振る舞いを念頭に置いた演説を行い、関心を集めた。この演説を機に、カーニー首相は欧州など「米国に対抗する中堅国の連帯」を主導する指導者として急浮上したという。専門家の間では、カーニー首相がトランプ大統領に対峙しつつ、中国など他国との関係も深めようとする背景には、内外の複合要因があるとの見方が出ている。
まず、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の交渉を控え、交渉カードを確保する狙いがあるとの分析が示された。オタワのカールトン大学で国際政治学を教えるフェン・ハンプソン教授はWSJに対し、今年のUSMCA再交渉を前に、受け入れ可能な条件を維持できないと見て、カーニー首相が計算の上で判断した可能性があると述べた。そのうえで、この場合の最善策は、貿易の多角化を進め、投資家を見つけ、ルールに基づくパートナー連合を率いることだと指摘している。
国内政治をにらんだ動きだとの見立てもある。世論調査会社アバカス・データのデービッド・コレット代表は、カーニー首相のダボス会議での演説が、議会で過半数の議席確保を目指す早期総選挙の布石になり得るとの見方を示した。現状、カーニー首相が率いる自由党は少数与党で、政局運営が難しい局面にある。
一方でトランプ大統領は、中国との協力を進めるカーニー首相に対し、「100%関税」を課すと述べ、再び対立が表面化した。これに対しカーニー首相は、中国との一連の措置は近年生じた問題を正すためのものだとしたうえで、中国と自由貿易協定(FTA)を結ぶ意図はないと明言した。
















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