東京から約1,800km離れた太平洋の深海で、レアアースを含む泥の掘削に初めて成功した。

3日、読売新聞や日本経済新聞などによると、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の掘削船「ちきゅう」が、南鳥島近海の水深約5,700mの深海から、レアアース(希土類)を含む泥を引き上げることに成功した。
先月12日、「ちきゅう」は清水港を出港し、約5日で掘削海域に到着した。その後、巨大なパイプを海底までつなぎ、海底油田・天然ガス掘削の手法を応用した「ライザーシステム」により、泥を船上へ押し上げたという。水深6,000m級の海底堆積物を採取した例は世界初とされる。
今回の掘削は、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として実施された。政府は泥の破砕装置や特殊パイプの開発などに約400億円を投じている。2022年に水深約2,400mで泥の吸い上げに成功しており、今回はそれを大きく上回る深度でも装置が正常に作動することを確認できた点で、技術面の前進と位置づけられている。
南鳥島周辺の海底は、以前から「レアアースの宝庫」として注目されてきた。東京大学の研究チームとJAMSTECは2013年、この海域でレアアースを高濃度で含む泥層を確認し、少なくとも1,600万トンが埋蔵されているとの推計を示している。国別の埋蔵量では中国(4,400万トン)、ブラジル(2,100万トン)に次ぐ世界3位規模とされる。
政府は来年2月から、1日最大350トンの泥を引き上げる試験採掘に入る方針で、2028年3月までに採掘コストを含む商業性の分析報告書をまとめる計画だ。
深海レアアース開発を急ぐ背景には、中国リスクへの警戒がある。2012年の尖閣諸島を巡る対立では、中国がレアアースの輸出を絞ったことで、自動車や電子などの基幹産業が影響を受けた。以降、オーストラリアなどへ調達先を広げ、中国依存は9割台から6割台へ下がったものの、なお高水準との見方がある。
最近では、高市早苗首相が台湾有事での軍事介入の可能性に言及した後、中国がレアアースを再び圧力手段として使っているとの観測も出ている。こうした状況を踏まえ、読売新聞は、世界の生産の多くを握る中国がレアアースを外交カードとして用いる中、今回の成功は国産化に向けた大きな一歩になり得ると伝えた。
















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