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「歴史修正に対抗する構え」ポーランドの賠償攻勢、ロシアの戦争名分崩しへ

望月博樹 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ポーランド政府は、第二次世界大戦後に旧ソ連から受けた各種被害を金銭的に算定し、賠償を求める方策の検討を始めた。

ポーランド政府のシュワプカ報道官は19日(現地時間)、現地メディアの「ポルサット・ニュース(Polsat News)」に対し、ソ連時代の被害に関する資料を収集中であるとした上で、「1939年のソ連による侵攻と、その後の占領による被害に焦点を当てている」と述べた。シュワプカ氏は、政府機関である「戦争被害研究所」が被害規模の算定を最優先課題に掲げており、賠償請求を含む政治的判断は研究結果を詳細に検討した後に下されると説明している。

第二次世界大戦で最大級の被害を受けた国の一つであるポーランドは、1939年にドイツとソ連の双方から侵攻を受け、1945年の終戦までに国民約600万人が命を落とした。ポーランドの民族主義右派政党「法と正義(PiS)」は2022年の報告書で、ナチス・ドイツによる被害規模を1兆3,000億ユーロ(約240兆円)と算定した。歴史学者でもあるナヴロツキ大統領は昨年の就任以降、この報告書を根拠にドイツへ賠償を求めている。

しかし、戦犯国であるドイツとは異なり、旧ソ連は米国・英国・フランスと並ぶ第二次世界大戦の戦勝国であるため、戦争賠償要求が受け入れられる可能性は極めて低いとされる。ロシア側は、ナチス打倒においてソ連が最も大きな功績を果たしたと主張している。

このため、戦後の親ソ連共産主義政権時代における主権・人権侵害や経済的損失を問題視する方策も検討されている。ゴンデク戦争被害研究所長は「40年以上にわたる冷戦期、ポーランドがソ連の影響圏に置かれていた点を考慮すれば、今回の調査はナチスの残虐行為調査よりもはるかに広範囲になる可能性がある」と述べた。

ポーランドは、旧東側軍事同盟の「ワルシャワ条約機構」に属したソ連の衛星国家であった。ソ連崩壊と民主化後、「北大西洋条約機構(NATO)」および「欧州連合(EU)」に加盟し、西側陣営に加わった経緯がある。ポーランドによる過去史問題を巡る攻勢は、ウクライナのネオナチ撲滅を戦争の名分として掲げるロシアの歴史修正主義への対抗という側面も持つ。

ロシア下院のヴォロージン議長は2023年、ポーランドをナチスから解放した見返りとして、ポーランドがロシアに7,500万ドル(約116億2,500万円)を支払うべきだと主張した。また、ロシアのアルティゾフ連邦公文書館長は先月、旧ポーランド駐在フランス大使館の記録などを根拠に「ポーランドはナチスに対抗するためのフランス、英国、ソ連の交渉を妨害した」とし、第二次世界大戦勃発の責任をポーランド側に転嫁する姿勢を示した。

歴史学界では、ドイツとソ連がポーランドを含む東欧の分割を秘密裏に取り決めた「独ソ不可侵条約(モロトフ=リッベントロップ条約)」が第二次世界大戦の引き金となったとの見方が支配的だ。これに対し、ロシア外務省のザハロワ報道官は「ポーランドへの賠償としてオペラ『イワン・スサーニン』の映像リンクを提供できる」と皮肉った。ロシアの作曲家グリンカ氏による同作品は、17世紀初頭のポーランド・リトアニア連邦によるモスクワ侵攻を題材としている。

望月博樹
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