
米空軍のF-16戦闘機編隊、新型電子戦装備「アングリー・キトン」を搭載し中東へ展開
米空軍のF-16戦闘機編隊が、新型の電子戦用ポッド「アングリー・キトン(Angry Kitten)」を搭載した状態で中東へと向かったことが明らかになった。敵のレーダーを攪乱する同装備は、今後想定されるイランの防空網制圧作戦に投入される見通しだ。
軍事専門メディア「ザ・ウォーゾーン(The War Zone)」は20日(現地時間)、サウスカロライナ州空軍第169戦闘航空団に所属するF-16CJ(ブロック52)戦闘機12機が、大西洋を越えて移動する過程でアングリー・キトン電子戦ポッドを搭載していたと伝えた。
これらの戦闘機は17日、ポルトガル領アゾレス諸島にあるラジェス空軍基地を経由して東へと移動した。移動にはKC-46A空中給油機が同行しており、ラジェス空軍基地には給油能力も追加配備されたという。
今回展開した戦闘機は、AIM-120「アムラーム」空対空ミサイルの模擬弾と補助燃料タンクを搭載し、LITENING標的ポッドおよびAN/ASQ-213 HARM標的ポッドも運用している。AN/ASQ-213ポッドはAGM-88 HARM対レーダーミサイル運用のための核心装備であり、敵の防空レーダーの探知と攻撃に使用される。特に機体下部には、既存の電子戦ポッドに代わってアングリー・キトンが装着された。
レーダーを欺く「アングリー・キトン」電子戦ポッド
アングリー・キトン電子戦ポッドは、訓練用電子戦装備であるAN/ALQ-167から発展したシステムだ。米空軍は当初、敵の電子戦の脅威を模倣するために開発したが、試験過程で作戦用装備としての有用性が確認された。
同装備は2017年からF-16に搭載されて試験運用が続いており、A-10「サンダーボルトII」やMQ-9「リーパー」、F/A-18「ホーネット」など様々な航空機でも試験が行われてきた。アングリー・キトンは、デジタルRFメモリ(DRFM)を利用して敵のレーダー信号を捕捉し、これを操作して再放出する。これにより、敵レーダーに偽の目標を生成したり、ミサイルの誘導を妨害したりすることが可能となる。
米空軍は任務中に電子戦技術を修正する能力も試験しており、これを次世代の認知型電子戦技術へと発展させている。
敵防空網を無力化する「ワイルド・ウィーゼル」戦力を展開
今回移動したF-16CJは、敵の防空網を無力化する「ワイルド・ウィーゼル(Wild Weasel)」任務に特化した戦力だ。ワイルド・ウィーゼル戦闘機は、対レーダーミサイルを利用して防空レーダーを探知・攻撃する任務を遂行する。この任務は敵の防空網に接近する必要があるため極めて危険性が高く、高度な電子戦装備が不可欠とされる。
米国は最近、中東地域に空母打撃群や爆撃機、戦闘機、給油機などを集中配備し、軍事力を増強している。長期作戦が開始される場合、F-16のような第4世代戦闘機の投入が増える可能性が高い。
イランの防空網は、イエメンのフーシ派による戦力よりもはるかに強力なレベルにあると評価されている。ただし、2023年のイスラエルによる空爆で、一部の防空網は打撃を受けた状態だ。米軍が実際の作戦に突入する場合、アングリー・キトンを搭載したF-16CJが防空網除去作戦の核心戦力として投入される可能性が高いとみられている。













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