
イランを巡る軍事的な緊張が急速に高まっている。イランがロシアと極秘に5億ユーロ(約815億円)規模の地対空ミサイル導入契約を結んだことが判明する中、米国は中東全域に2003年のイラク侵攻以降で最大規模とされる空海軍戦力を展開している。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)は22日(現地時間)、流出したロシア側の文書と複数の関係者の話として、イランが昨年12月にモスクワでロシアの国営防衛輸出企業ロソボロンエクスポルト(Rosoboronexport)と秘密の兵器契約を締結したと伝えた。
契約には、3年間で携帯式防空システム(MANPADS)「ウェルバ(Verba)」の発射機500基と「9M336」ミサイル2,500発など、計4億9,500万ユーロ(約807億円)相当の兵器を供与する内容が含まれている。ウェルバはロシアの最新型携帯赤外線誘導ミサイルで、小規模部隊が肩に担いで運用し、巡航ミサイルや低空飛行の航空機、ドローンの迎撃が可能とされる。固定レーダー基地がなくても分散型防空網を迅速に構築できるため、昨年6月のイスラエルとの「12日戦争」で統合防空網が損なわれたイランにとって、極めて有効な装備とみられる。
兵器の引き渡しは2027〜2029年の3段階で行われる計画だが、一部装備は既に搬入された可能性も示唆されている。ロシアのIl-76TD輸送機が過去8日間に少なくとも3度、北カフカスからイランのカラジへ往復飛行したことが確認されたためだ。また、イランは先月、ロシア製Mi-28攻撃ヘリコプター最大6機も受領したと伝えられている。
イランが防空網の再建を進める一方、米国は対イラン攻撃態勢を急速に強化している。衛星画像の分析によると、ヨルダンのムワッファク・サルティ空軍基地にはF-35ステルス戦闘機18機を含む少なくとも66機の戦闘機が配備され、F-15戦闘機17機やA-10攻撃機8機、EA-18G電子戦機も確認された。サウジアラビアのプリンス・スルタン基地でも、E-3早期警戒管制機(AWACS)やC-130、C-5輸送機が確認されている。
海上では、戦闘機を搭載した空母「エイブラハム・リンカーン」と「ジェラルド・R・フォード」の2個空母打撃群が追加され、軍艦16隻と約4万人の兵力が地域に展開中だ。米戦略国際問題研究所(CSIS)は、作戦行動中の米海軍艦艇51隻のうち18隻(35%)が中東に集中していると分析した。
ドナルド・トランプ大統領はイランに対し、核合意の期限を最大15日と設定し、「合意しなければ悪い結果になる」と警告するとともに、「限定的な空爆も検討している」と述べた。中東の米空軍作戦を統括するデリック・フランス中将が、23日に開幕するコロラド州での戦争シンポジウムへの出席を取りやめたことも、緊張をさらに高めている。
イランのアッバス・アラグチ外相は米CBSのインタビューにおいて、26日のジュネーブ協議で米国側に提案を提示する意向を示す一方、「米国の軍事増強は合意の助けにならず、イランを圧迫することもできない」と反発した。また、攻撃を受ければ地域内の米軍基地へ報復するとの警告を改めて強調している。
















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